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 ストーカーの50歳女を恐喝未遂容疑で逮捕 元夫の娘に付きまとい
2015.07.08 東京朝刊 

  元夫の30代の娘に付きまとい、その親族から現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁人身安全関連事案事態対処チームはストーカー規制法違反と恐喝未遂の疑いで、豊島区長崎の無職、H容疑者(50)を逮捕した。同チームによると、容疑を認めている。

  逮捕容疑は4~5月の計3回、元夫の娘に付きまとい、娘の長女の幼稚園に押しかけるなどしたほか、平成25年~今年2月、娘の親族に「1千万円を振り込まないと娘を中傷する手紙をまく」などとする手紙を送り、脅迫したとしている。

  同チームによると、H容疑者は元夫と11年に結婚し、翌年離婚。18年に別の男性と結婚していた。H容疑者と娘との間に血縁関係はないという。

 
 競輪の元賞金王、ストーカー容疑 群馬県警が逮捕
2015.07.02 東京朝刊 

  元交際相手の女性にストーカー行為をしたとして、群馬県警は1日、香川県土庄町、競輪選手K容疑者(46)をストーカー規制法違反の疑いで逮捕し、発表した。「電話やメールはしたが、ストーカーをしたとは思っていない」と否認しているという。

  発表によると、K容疑者は6月4~17日、群馬県内に住む50代女性に電話を14回かけたり、「お互いに社会的信用はなくなりますが、それでいいと思っています」などのメールを3回送ったりして名誉を傷つけ、ストーカー行為をした疑いがある。

  K容疑者は2000年に「KEIRINグランプリ」で優勝し、同年に年間の賞金王になった。

 
 【手帖】究極のストーカー
2015.06.28 東京朝刊 

  いまエリック・クラプトン研究家マーク・ロバーティの『エリック・クラプトン全活動記録 1963-1982』(シンコーミュージック・エンタテインメント・3500円+税)を眺めながら「ギターの神様」の演奏を熱心に聴き直している。新たな発見があって楽しいからだ。

  《ヤードバーズ以前から、ブルースブレイカーズ、クリーム、ブラインド・フェイス、デラニー&ボニー&フレンズ、デレク・アンド・ザ・ドミノス、そして82年までのソロ活動を徹底的に調査。デイ・バイ・デイ形式でライヴ&レコーディングの全てを記録したファン必携の1冊!!》と帯でうたわれているように、パーソネルをはじめとする曲ごとのデータ、ライブごとのセットリスト、さらにギャラに至るまで、クラプトン本人も忘れているに違いない細かな情報がぎっしりと詰め込まれている。

  著者は可能な限りの情報を入手したうえで、それを単に時系列に並べるのではなく、本人や関係者の証言と多数の貴重な写真、著者による解説を挟み込むことで、当時の音楽シーンを立体的かつ具体的につかめるように工夫している。だから読みものとしても十分楽しめる。

  分かりやすい例をあげよう。68年9月6日、クラプトンはビートルズの「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の録音に参加している。場所はアビーロード・スタジオ。ここにはジョージ・ハリスンの証言が添えられている。ジョージが録音に参加してほしいと頼むと、クラプトンはこう答えた。《とんでもない。そんなことできないよ。今までビートルズのレコードでプレイしたヤツなんてひとりもいないだろう》。結果的に参加するわけだが、録音を聴き直したクラプトンは《ちょっとまずいな。ビートルズらしさが欠けている》と言ったという。

  本物のクラプトン・マニアは、究極の「ストーカー」による本書の至るところで、貴重な財宝を発見することになるだろう。掛け値なしの労作である。続編が待たれる。

 
 復縁迫りメール578回  ストーカー規制法違反容疑 会社員の男逮捕  土佐署
2015.06.26 夕刊 

  【土佐】元交際相手に復縁を迫るメールを半年間で500回以上送ったとして土佐署は26日、ストーカー規制法違反容疑で、土佐市、会社員、A容疑者(48)を逮捕した。容疑を大筋で認めているという。

  逮捕容疑は、1月25日から今月13日までの間、以前交際していた吾川郡内の女性(49)に対して復縁を迫るメールを計578回送った疑い。

  土佐署によると、A容疑者と女性は1月ごろまで交際しており、メールの内容も当初は当たり障りのない文面だったが、徐々に復縁を迫る内容にエスカレートしていったという。同署は16日、女性が所有する乗用車のサイドミラーを折り曲げた器物損壊容疑でA容疑者を逮捕していた。

 
 ストーカー被害者「相談窓口を」 DVに比べ支援体制手薄
2015.06.22 朝刊 

 被害者「相談窓口を」

 DVに比べ支援体制手薄

 誰にも言えず自殺考えた/「民事…」警察だけでは限界

  警察への相談が後を絶たないストーカー被害。中国地方の30代男性が中国新聞の取材に応じ、被害者の苦しい胸の内を語った。警察だけでの対応には限界も感じ、適切な助言が得られる相談窓口を切望する。

  「ずっとしんどくて、初めて自殺を考えた」。男性は、3年間にわたる女性との同居生活を振り返り、当時の心境を明かした。

  女性は嫉妬深く、男性の交友関係を常にチェック、制限した。教えていないのに実家の場所も知っていた。気に入らないことがあれば「死ぬ」「職場に行く」と脅し、食器を投げたり、蹴ったり包丁を突き付けたりした。

  男性は「情けない」と誰にも相談できず、職場でも平静を装った。だが、精神的に追い詰められる日々が続き、自殺も考えるようになった。ことし3月、内緒で家を借りて同居先から逃げ出した。

  すぐに警察に相談した。自分と女性の性格などを説明し、女性の危険度は「中度」と判定された。警察官は「身の危険を感じたら110番を」と助言し、電話で女性に「彼はかなり悩んでいる」と諭してくれた。

  ただ、女性からは「警察に言うなんてひどい」「反省した」「体調を崩した」などとメールが届き続けた。連絡手段を絶つために携帯電話を解約すべきかを悩み、警察官に相談した。しかし、「民事のことですから」と言われ、警察は頼りにくいとも感じた。他の相談先も分からず、1人で苦しんだという。

  中国地方の各県には、DV被害者保護に取り組む「配偶者暴力相談支援センター」がある。ストーカーの相談も受けるが、どのセンターのホームページにも「ストーカー」の文言はない。ストーカー対策の職員研修もしていない。対応が手薄な理由について、被害者支援を担当する広島県県民活動課は「DVは、DV防止法で自治体の支援体制づくりが定められているが、ストーカーは同様の法律がない」と説明する。

  ストーカーの被害者保護に取り組むNPOヒューマニティ(東京)の小早川明子理事長は「警察は事件対応が主眼。自治体が相談をきちんと受けられる人材を育成し、相談窓口をもっと周知すべきだ」と指摘している。

 
 [事件・事故]元妻にストーカー容疑で逮捕 宇和島署
2015.06.22 朝刊 

  ◆元妻にストーカー容疑で逮捕 宇和島署は21日、ストーカー規制法違反の疑いで宇和島市の無職A容疑者(30)を逮捕した。容疑は20日ごろから21日ごろにかけ、元妻に対し好意が満たされなかったことを逆恨みし、元妻の携帯電話に十数回電話するなどした疑い。

 
 (きょうも傍聴席にいます。@岐阜)ストーカー規制法違反の罪に問われ実刑判決、被告の女/岐阜県
2015.06.17 名古屋地方版/岐阜

  ■起訴内容

  女は、男性へのつきまといで公安委員会から禁止命令を受けていたにもかかわらず、今年1月17日から19日にかけて、郵便受けに手紙を入れたり、玄関扉に貼り紙をしたりして、ストーカー行為をしたとされる。

  ■何度も訪問や手紙否認 「私は無罪」

  元交際相手の30代男性宅を訪れ、手紙を送るなどしてストーカー規制法違反の罪に問われた岐阜市の無職の女(36)。16日、岐阜地裁で懲役8カ月の実刑判決が言い渡された。「私は無罪」と訴え続けた小柄な女は表情を変えず、黙って判決を聞いていた。

  検察側冒頭陳述などによると、女が男性と知り合ったのは2011年2月ごろ。半同居生活をするようになったが、翌年交際は終わった。その後、別の人と付き合ったがうまくいかず、男性に電話やメールを送り、男性宅に行くようになった。14年9月に公安委員会から、つきまといなどをしてはいけない、という禁止命令が出された。

  女はそれでもやめず、男性に約1千通のメールを送りつけたとして逮捕され、昨年12月24日にストーカー規制法違反の罪で懲役6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けた。

  それでも、男性の平穏な生活は長く続かなかった。

  今年1月4日正午ごろ。男性宅のチャイムがなった。モニターに女の姿が映った。男性は居留守を使ったが、1時間おきにチャイムがなった。

  同16日午前2時ごろ。男性は「二度と来るな!!次来たら即警察へ通報する」などと書いたメモを玄関扉に貼り付けた。

  だが、同日午後1時半ごろ、メモははがされた。17日午前2時ごろ、「いっしょにいたりしたいです」と書かれた手紙が入った封筒が投函(とうかん)され、18日には「少しでいいので聞いてください」と手紙が届いた。

  「本当に結婚したいと思っています」。同19日にはこんな言葉が書かれたメモが玄関に貼り付けられた。2日後、女は再びストーカー規制法違反容疑で逮捕された。

  弁護人が被告に質問する。

  弁護人「手紙を書いたことや、男性の自宅を訪問したことは?」

  被告「ありません」

  弁護人「手紙の指紋やメモの筆跡に心当たりは?」

  被告「ありません」

  女は、逆に自分が男性から嫌がらせをされ、ストーカーと言われている、と訴えた。

  弁護人「警察は公平な取り調べをしていないと?」

  被告「していません」

  女は事件前から情緒不安定性パーソナリティー障害と診断されていた。

  弁護人「精神的に不安定なのはパーソナリティー障害だから?」

  被告「そう」

  検察側は追及した。

  検察官「手紙の指紋や筆跡鑑定の結果が一致しており、自宅から同じ封筒などが発見されている。あなた以外にないのでは?」

  被告「わかりません」

  検察官「医師からのパーソナリティー障害の説明で何か覚えている?」

  被告「感情のコントロールが苦手」

  検察官「自分自身に当てはめると?」

  被告「そういうこともあるかなと思った」

  検察官「以前メールをたくさん送ったことや、今回手紙を送ったことがストーカーだとは理解できる?」

  被告「わからない」

  弁護側は無罪を主張。ただ、仮に手紙を送るなどしていたとしても、否認しているのはパーソナリティー障害の影響だとして、執行猶予付きの判決を求めた。

  検察側は手紙の指紋などから被告の犯行であると指摘。一方的な感情から犯行に及んでいて動機に酌むべき事情はないとして、懲役10カ月を求刑した。

  大西直樹裁判官は「パーソナリティー障害ではあるが、善悪の判断能力や行動をコントロールする力に影響を与える精神障害ではない」と述べた。判決に不服があれば控訴できると説明されると、女はうなずき、黙って法廷を後にした。

      ◇

 精神科医の香山リカさんは、パーソナリティー障害について、誰の中にもある感情が極端化して表れる、と説明。「自分の行動が人に迷惑をかけていると考えることが苦手ということかもしれない。自分の感じ方が極端であると自覚してカウンセリングなどを受ける必要がある」と話している。

 
 ストーカー凶行どう防ぐ 平野・女性刺殺から考える
2015.06.13 大阪朝刊 

  ■法・警察介入 歯止めにならず

 ストーカー事案に警察が介入したことで加害者が被害者に逆恨みを募らせ、凄惨(せいさん)な殺人事件に発展する。大阪市平野区で昨年起きたストーカー殺人事件はまさにそんなケースだった。大阪地裁の公判で明かされたのは被告の男の病的な執着心。法も警察も歯止めにならないストーカーにどう対応すればいいのか。

                    ◇
 ◆裁判所命令も無視

  大阪地裁で5月28日、殺人罪などで懲役30年が言い渡された無職のM被告(59)。判決によると昨年5月2日未明、飲食店アルバイト従業員、Iさん=当時(38)=を殺害。同じ日に元妻の殺害も計画していた。

  予兆はあった。2人の女性は事前に身の危険を感じ、それぞれ警察に相談するなどしていたのだ。

  発端は平成25年3月、半年前に離婚した元妻に新たな交際相手ができたと知ったこと。M被告は「裏切られた」と逆上し、同年6月に元妻の勤務先に乗り込み暴行、府警に傷害容疑などで逮捕された。今回の公判で当時の心境を問われ、「殺したい気持ちでいっぱいだった」と述べた。

  本心は胸に秘め「元妻には関わらない」と約束し、同年9月上旬に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。しかし、釈放直後から元妻の勤務先などに繰り返し電話。10月初め、ドメスティックバイオレンス(DV)防止法に基づき、裁判所から元妻への接触を禁じる保護命令が出されたが、10日後には命令を無視して電話を再開した。

  ◆聴取で状況悪化

  一方、判決後に釈放されて間もなく、たまたま入ったスナックで出会ったのがIさんだった。悩みを聞いてくれる姿勢に慰められ、11月ごろには「元妻への恨みを忘れるようになった」。だが、今度はIさんへのストーカー行為が始まった。26年3月上旬、Iさんが松原署に相談したことで状況は悪化する。

  同署からストーカー規制法に基づいて口頭で注意を受け、翌日に事情聴取された。「これ以上すると罪になる」という署員の言葉に「自分がストーカーなんて意味不明だった。腹が立ち、殺そうという気持ちが芽生えた」。

  その後もIさんにメールを送ったりしたため、3月中旬に規制法に基づく警告を受けた。同時期、元妻の相談を受けた別の警察署からもDV防止法に基づく保護命令を無視した容疑で事情聴取された。薄れていた元妻への恨みが再燃し、2人の殺害を決意した。

  以降、2人と接触せず殺害の機会を待ったため、警察も異変を察知できなかった。府警はIさんの危険度を当初、3段階の2番目と判定していたが、4月初めの状況確認で被害は収まったと判断。安全確認の連絡を2週間に1回から月1回に変更した。事件が起きたのは、ちょうど月1回の連絡を入れる日だった。

  ◆専門家交え対応を

 強い執着心を持つ加害者にとって警察の介入は逆効果を生む場合もある。法も警察も軽視し、次の行動の予測が難しいストーカーにどう対処すればいいのか。

  警察庁OBの後藤啓二弁護士は「今回は警告から事件まで2カ月近くストーカー行為がやんでいた。危険性を見抜くのは警察も被害者も至難の業だ」と対応の限界を指摘する。これに対し、警察庁と協力してストーカー加害者の治療に取り組む精神科医の福井裕輝(ひろき)氏は、警察が介入する前段階から専門家を交えて対応を考えるべきだとし、モデルケースとして英国の警察主導の公的機関「ストーキングクリニック」を挙げる。

  心理学者や精神科医、保護観察官らがチームとなり、被害相談段階で加害者の人物像や行動パターンを分析。効果的なアプローチ方法を考えてから接触する。警察が介入する場合もあれば、逆恨みされる危険性を見込んで和解を探ったり、治療を勧めたりして柔軟に対応しているという。

  福井氏は「警察から突然警告されると、頭に血が上ってしまう加害者もいる。加害者側の言い分を聞く場を設けるなどした上で、適切な対応を考える必要がある」と提言する。

                    ◇

 ■逮捕優先 専門部署も

 警察のストーカー対応は平成11年の埼玉県桶川市のストーカー殺人事件以降、全国で凶悪事件が続発する度に批判にさらされ、変革を迫られてきた。

  25年10月に起きた東京都三鷹市の女子高生殺害事件では、女子高生が事件当日に警察署に相談していたことが判明。警視庁が事件の検証報告で「危険性の判断に問題があった」と認める事態に発展した。

  これを受けて警察庁は同年12月、基本方針を転換。警告を優先していた従来の対応を改め、逮捕を優先するよう都道府県警に要請した。同時に相談窓口の生活安全部門と捜査担当の刑事部門を一元化。被害相談の段階から両部門が一緒に対応するようになった。

  現在は全国の警察本部でストーカー対策の専門部署が発足。大阪府警などでは担当者を増員し、被害相談を署長と本部に全件速報している。昨年4月からは警告した加害者に治療を促す取り組みも始まった。

 
 29歳新婚僧侶 170キロ遠距離ストーカー殺人
2015.06.06 日刊スポーツ 

  昨年12月に松山市のマンションで、住民のKさん(37)の遺体が見つかった事件で愛媛県警松山東署は5日までに、殺人容疑で徳島市の僧侶K容疑者(29)を逮捕した。捜査本部によると容疑を認めており「徳島から松山に来てKさんを殺害し、その日のうちに徳島に戻った」と供述しているが、動機については語っていない。

  逮捕容疑は昨年12月16日夕方から夜にかけてKさんの首を刃物で突き刺して殺害した疑い。

  捜査関係者によると、凶器については「刃物は捨てた」と供述しているが、場所については二転三転している。2人はKさんの仕事先で知り合ったという。K容疑者は事件発生前、「接客態度が悪い」などとインターネットにKさんを中傷する書き込みをしていたことから捜査線上に浮上。マンション付近の防犯カメラには、同容疑者の車が写っていた。一方、Kさんは知人らに「ストーカーされているかもしれない」と話していたこともあるといい、捜査本部は事件との関連を調べている。

  K容疑者の父親は報道陣の取材に「愛媛に行っていたかどうかは知らなかった」と話した。浄土真宗本願寺派(京都市下京区)は、同容疑者は同宗派の僧侶とし「事実であれば厳正に対処する」と発表した。

  寺の近所に住む男性は、K容疑者について「態度も言葉も優しい坊さんだった」と話した。別の男性は「昨年末か今年の初めくらいに結婚したばかり。恋愛結婚だったと聞いた」と驚いた。170〓離れた松山市での犯行に住民からは戸惑いの声が聞かれた。Kさんの父親は県警を通じ「犯人に対して強い憤りを覚える。心から罪を償ってほしい」とコメントした。

 
 ストーカー殺人 懲役30年 「理不尽で身勝手の極み」 大阪地裁判決
2015.05.29 大阪朝刊 

  大阪市平野区で昨年5月、飲食店アルバイト従業員、Iさん=当時(38)=がストーカーの男に刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた無職、M被告(58)の裁判員裁判の判決公判が28日、大阪地裁で開かれた。坪井祐子裁判長は「一方的に裏切られたと解釈して恨んだ。理不尽で身勝手の極み」として、懲役30年(求刑無期懲役)を言い渡した。

                    ◇

 坪井裁判長は判決理由で「謝罪を口にするなど反省しようとする姿勢を見せている」としながらも、「犯行の計画性、残忍さ、執拗(しつよう)さの面で悪質だ」と指摘。「今でもIさんらの行為を裏切りであると言い、反省は不十分」と述べた。

  M被告は事件の約1カ月半前、Iさんの相談を受けた大阪府警から、ストーカー規制法に基づく警告を受けた。坪井裁判長は「自分の問題に気付く機会があった。ストーカー行為は社会問題となっており、重く処罰することで再発防止に向けた警鐘とする必要がある」とも言及した。

  判決によると、M被告は昨年5月1日夜、包丁を準備し平野区の元妻の勤務先を訪問。さらに翌2日未明、同区内の路上でIさんの頭部や腹部を刺して殺害するなどした。

 
 38歳女性にストーカー行為、43歳女に実刑
2015.05.29 朝鮮日報 

  エアロビクスのインストラクターをしている30代の女性が自分に愛情を抱いているという妄想にかられ、わいせつな行為をしたり、ストーカー行為をしたりした中年の女に対し、裁判所が実刑を言い渡した。

  ソウル北部地裁刑事8部「ユン・ジョンイン裁判官)は28日、インストラクターの自宅や勤務先で騒いだり、陰部を触ったりしたとして、強制わいせつ罪などで起訴された女(43)に対し、懲役1年6月の判決を下した。

  判決によると、女は8年前、エアロビクスの女性インストラクター(38)にレッスンを受けて以来、インストラクターに対し「愛している」と言い、ストーカー行為を繰り返したという。女はインストラクターの自宅に侵入してベッドに寝転んだり、インストラクターの車に乗り込んだりする奇行を繰り返し、インストラクターを驚かせた。昨年4月には、インストラクターの元を訪ねてズボンを脱ごうとし、陰部を数回触るなどの強制わいせつ行為をし、同年5月にはインストラクターが勤務する市民体育センターでレッスンを受けている人たちに「インストラクターと親しくするな」と暴言を浴びせた。また女は自分を避けるインストラクターに腹を立て、頬を平手打ちしたこともあった。

  既婚の女は以前にも、インストラクターに対するストーカー行為で数回にわたり罰金刑や実刑を言い渡された。ユン裁判官は「(他人が自分を愛していると信じる)色情型妄想性障害の状態にある被告人が、同種の犯罪で実刑判決を受けながら、拘置所を出て4カ月で再犯に及んだ上、被害者が大きな苦痛を訴えているため、実刑を適用せざるを得ない」と判決理由を述べた。

 
 失踪直前 ストーカー被害 栃木女性遺棄 交際相手に相談
2015.05.26 大阪朝刊

  栃木県真岡(もおか)市の民家で宇都宮市の接客業、Hさん=当時(21)=の遺体が見つかった事件で、Mさんが失踪直前の3月下旬ごろ、交際相手の男性に対し、ストーカー被害に遭っていると打ち明けていたことが25日、分かった。栃木県警もこうした経緯を把握。Hさんの預金口座から現金800万円を引き出したとして詐欺容疑で逮捕した会社員、I疑者(42)がストーカーに関与した可能性についても慎重に調べている。

  産経新聞の取材に応じたHさんの交際相手の40代男性によると、3月下旬に食事をした際、Hさんが「ストーカーに困っている」「私、もう長生きできないのかな」などと打ち明けた。ただし詳しい状況は話さなかったという。

  県警によると、Hさんがストーカー被害などで県警に相談した形跡は確認できていないという。

  男性は無料通信アプリ「LINE(ライン)」でHさんと頻繁に連絡を取り合っていた。4月5日正午ごろに送信したメッセージには、Hさん側が開封したことを表す「既読」がついたが、その後午後4時以降に送ったメッセージは「未読」のままだった。

  宇都宮市内の金融機関からHさんの現金が引き出されたのは翌6日午後2時40分ごろ。男性は同9日、県警に相談したが、「あのときにもっと追及していれば…。悔やみきれない」と話している。

  捜査関係者によると、詐欺容疑で同時に逮捕された無職、T容疑者(25)は、インターネットのサイトでI容疑者と知り合った数年来の知人だが、Hさんとは面識がないという。

 
 DV認知倍増773件 ストーカー被害も413件 2014年=熊本
2015.04.24 西部朝刊

  ◆県警、早めの相談呼びかけ

 2014年に県内で発生したDV(配偶者や恋人からの暴力)の認知件数は前年比で倍増し、傷害や暴行容疑などでの摘発件数も5倍となった。県警生活安全企画課は「DVに関する周知が進んだことにより相談が増え、認知件数の押し上げにつながった。第三者の介入により、9割が解決につながると言われる。まずは相談してほしい」と呼びかけている。(今村知寛)

  同課によると、DVの認知件数は773件(前年390件)で、このうち84件の逮捕を含む122件(同25件)を摘発した。

  認知件数の7割強に当たる566件が夫婦間で、続いて内縁関係の130件だった。以前は、「家族の問題」として警察が踏み込みにくい領域とされてきたが、深刻な被害につながるケースが多いことから積極的に介入するようになった。

  被害を確認すれば、まず、加害者に対する口頭での警告が行われる。その後も、被害者の身体や生命に危険の及ぶ行為が続いていると判断すれば、被害者への接近や電話の禁止といった保護命令を裁判所に出してもらう。違反すれば罰則が科せられる。14年は、口頭警告217件(同92件)、保護命令55件(同50件)だった。

  一方、ストーカー被害に関する認知件数も413件(同220件)と倍増している。ほぼ半数の208件が、交際相手(元交際相手含む)から被害に遭っていた。

  犯行態様では、「付きまとい、待ち伏せ、押しかけ」が219件で最も多く、「面会・交際などの要求」「無言や連続した電話、メールの送信など」もそれぞれ205件だった。

  ストーカー規制法に基づく加害者への口頭警告は228件(同179件)、文書警告は19件(同11件)、また、17件が暴行や脅迫容疑で逮捕に至った。

  同課は「ストーカーは、一方的な思い込みで大胆な行動に出る恐れがある。早い段階で相談してもらえれば、民間シェルターへの避難や、加害者への法的措置などを取ることができる」と話している。
 
 核心核論(2015年4月15日・水曜日)=ストーカー対策-警察任せでは不十分だ
2015.04.15 朝刊 

  全国の成人男女を対象に国が初めてストーカー被害調査を実施した。女性の10人に1人は付きまといや執拗[しつよう]なメールなどを経験し、被害者の3人に1人が命の危険を感じたという。6割以上が外出の恐怖や心身の不調などに悩まされたり、休職や転職を余儀なくされたりしたとしている。男性被害者も16%が命の危険を感じていた。

  内閣府が3544人から回答を得て、3月末に公表した。被害は年々増え、警察は昨年1年間に全国で2万2823件を把握し、摘発は2473件に上った。静岡県警が把握した被害は674件。いずれも過去最多だった。

  女子高生が警察に相談した日に元交際相手に殺害された三鷹ストーカー殺人(2013年10月)以来、警察は危険があると判断すれば、積極的に摘発している。静岡県警が人身安全対策課を新設するなど、体制も強化している。

  だが、警察だけで全ての事案や相談をさばききれるわけではない。自治体やNPOなどに身近な相談窓口を設けることによって、被害者の悩みや危険に目を配り、必要に応じ警察とも連携することが求められる。

  13年のストーカー規制法改正で、国や自治体が被害者支援の体制を整えることが定められた。ところが地域の核となるべき自治体の対応は鈍い。

  内閣府の別の調査では、相談窓口のない自治体が60%にも上り、被害防止や支援の根拠となる規定を条例などに設けていない自治体も34%あった。

  人材不足や財政事情などが理由に挙げられているが、警察任せの意識も根強いようだ。被害者が「警察に行くほどではない」と思っているうちに相手の行動がエスカレートすることも少なくない。地域ぐるみで安全網の整備を急ぎたい。

 
 社説 ストーカー対策〈2015 4.9〉
2015.04.09 朝刊

◆地域ぐるみで安全網整備

  全国の成人男女を対象に国が初めてストーカー被害調査を実施した。女性の10人に1人は付きまといや執拗(しつよう)なメールなどを経験しており、3人に1人が命の危険を感じたという。6割以上が外出の恐怖や心身の不調などに悩まされたり、休職や転職を余儀なくされたりしたとしている。被害男性も10人に1~2人は命の危険を感じていた。

  内閣府が3544人から回答を得て、先日公表した。被害は年々増えており、警察は昨年1年間に2万2823件を把握。摘発は2473件に上り、いずれも過去最多だった。これまで、さまざまな対策が講じられてきた。2013年にはストーカー規制法が改正され、国や自治体が被害者を支援する体制を整えることなどが定められた。

  被害の増加に対応するため、15年度から警察官も増員された。せんだっては日本司法支援センター(法テラス)の法律相談を、ストーカーの被害者らも利用できるようにする総合法律支援法改正案が閣議決定された。そんな中、自治体の6割は被害相談の窓口を設けていないことが、内閣府の別の調査で分かった。

  人材不足や財政事情など理由はいろいろあるが、警察任せの意識も根強いようだ。しかし被害者が「警察に行くほどではない」と思っているうちに相手の行動がエスカレートすることも少なくない。自治体の相談窓口も含め、地域ぐるみで安全網の整備を急ぎたい。

  内閣府の被害調査(昨年12月)によると、ストーカー被害の経験があるとした女性は11%、男性は4%。うち命の危険を感じた人はそれぞれ29%、16%。年齢は30代が最も多く、加害者は交際相手や元交際相手が39%で、これに知人・友人21%、職場・アルバイト先の関係者20%が続いた。

  女性の62%が被害によって生活が変わったと回答。その内容を複数回答で尋ねたところ「外出が怖くなった」「心身の不調」「夜に眠れなくなった」「仕事をしばらく休んだ・辞めた・変えた」-などが挙げられた。警察に相談したのは女性10%、男性3%だった。

  被害は深刻だ。ストーカー事件をめぐり警察が昨年、摘発したのは規制法のストーカー行為が598件、脅迫465件、住居侵入309件などで、殺人も14件(未遂9件)あった。女子高生が警察に相談したその日に元交際相手に殺害された三鷹ストーカー殺人(13年10月)以来、警察は危険があると判断すれば、積極的に摘発している。

  とはいえ、警察だけで、すべての事案や相談をさばききれない。都道府県ごとにある婦人相談所やNPO、自治体、さらに法テラスなどに身近な相談窓口を設けることによって、被害者たちの悩みや危険に目を配り、必要に応じ警察とも連携することが求められる。

  ところが被害者支援で地域の核となるべき自治体の対応は鈍い。内閣府の被害者支援実態調査(昨年9月、1558自治体が回答)では、相談窓口のない自治体が59・8%にも上り、被害防止や支援の根拠となる規定を条例などに設けていない自治体も34%あった。

  ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が広がり、ある日突然、顔も知らない相手に付きまとわれるという被害も出始め、法規制や条例整備など課題は山積している。一つ一つ着実にこなす必要がある。

 
 女性1割がストーカー被害 うち3割「命の危険感じた」 内閣府調査
2015.03.28 東京朝刊

  特定の異性に待ち伏せされたりするなどのストーカー被害経験がある女性は11%、男性は4%に上ることが27日、内閣府の「男女間における暴力に関する調査」で分かった。政府によるストーカーの被害調査は初めて。被害者のうち、命の危険を感じた人は女性29%、男性16%で、深刻な被害状況が浮き彫りとなった。

  また、自治体の支援に関する別の調査では、相談窓口が不十分な実態も判明した。有村治子女性活躍担当相は記者会見で「被害実態が明らかになったが、あくまで一端だという認識だ。深刻に受け止めている。調査結果を自治体に周知し、支援体制の整備に役立てていきたい」と述べた。

  被害調査は昨年12月、全国の成人男女に実施、3544人が回答した。被害者の年齢は30代が最多。加害者は交際相手や元交際相手が39%で最も多く、知人・友人(21%)、職場・アルバイトの関係者(20%)が続いた。電子メールなどによる被害は38%だった。

  女性の場合、被害によって「生活上の変化があった」と答えた人は62%。内容を複数回答で尋ねたところ、「外出が怖くなった」(27%)、「心身の不調」(20%)、「夜に眠れなくなった」(18%)、「仕事(アルバイト)をしばらく休んだ・辞めた・変えた」(15%)が挙げられた。

  女性は78%、男性は41%が誰かに相談していたが、警察への相談は女性10%、男性3%だった。

  一方、昨年9月に内閣府が自治体に実施した被害者支援実態調査(1558自治体が回答)では、ストーカー被害の相談窓口がある自治体は40%にとどまった。

 
 「お父さん刺された」 娘 民家逃げ込む 淡路島 朝の田園地帯 悲鳴
2015.03.09 大阪夕刊

  「お父さん、お母さんが刺された」。静寂を破ったのは、近くの民家に逃げ込んできた女性の悲鳴だった。兵庫県洲本市(淡路島)の民家2軒で9日朝、計5人が殺害された。殺人未遂容疑で逮捕された近くの無職A容疑者(40)は、簡易投稿サイト「ツイッター」などで近隣住民らを中傷する意味不明の書き込みをしていたとみられる。のどかな田園地域は恐怖に包まれた。

  関係者によると、この日午前7時過ぎ、3人が死亡した民家に住む女性(32)が、大声を出しながら近所の家に駆け込んできた。

  女性は両親、祖母との4人暮らし。女性はひどく震え、話すのもやっとの状態だった。この家の電話を借りて自ら110番。「お父さん、お母さんが刺された。すぐに来て」と話したという。女性は母親の「逃げろ」という声を聞いて避難したが、祖母の姿は見ておらず、どんな状態だったのかも分からない様子だったという。

  現場は洲本市の中心街から北に3キロほど離れた山の麓で、一帯には畑や林が広がり、民家が点在している。二つの現場は南北に約100メートル離れている。周辺は広範囲に規制線が張られ、捜査員があわただしく出入りした。

  近くの住民らによると、男女2人が死亡した現場の一家は、高齢の夫婦と娘の3人暮らし。

  別に住む孫夫婦に子供が生まれ、一緒に住むため、家の増築中だった。工事は7日に棟上げをしたばかりだったという。

  5年ほど前からこの家を訪問していたケアマネジャーの女性はニュースで事件を知り、電話もつながらなかったため様子を見に来た。「本当に穏やかで良い家族。1か月前、夫婦は『ひ孫がようやく歩けるようになった。一緒に暮らすのが楽しみ』と話していたのに……」と心配そうに話した。

  ◆近くの小学校 校門を施錠

  現場から約1キロ北にある洲本市立中川原小学校(児童38人)では、事件発生の知らせを受け、午前9時頃から校門や校舎の出入り口を施錠し、児童を最上階の3階にある音楽室に集めた。

  その後、容疑者が逮捕されたことがわかり、午前10時頃に授業を開始。同校によると、児童は落ち着いていたが、今後、様子を見守った上で、スクールカウンセラーの派遣を要請することも検討する。

  ◆被害者らを中傷か 容疑者ネットで

 A容疑者(40)は、2人が死亡した民家の東隣にある自宅で、父親とともに暮らしていたとみられる。長男がA容疑者と小学校の同級生だったという住民女性は「当時は普通の子で、残酷なことをするようには見えなかった」と声を震わせていた。

  別の近所の女性も「(A容疑者が)小学生だった頃以来、姿を見たことがない。お父さんは世話好きで、町内の会合にもよく顔を出していたが、息子の話は聞いたことはない」と話していた。

  A容疑者とみられる人物は、ツイッターや会員制交流サイト「フェイスブック」に特定の個人名をたびたび書き込み、「攻撃」を繰り返していた。

  ここ数日は、3人が死亡した家の地図をツイッターに掲載。被害者とみられる人物のほか、付近住民らの名前や勤務先などの個人情報を挙げ、自分がストーカー被害を受けているかのような意味不明の書き込みをしていた。

  ◆近隣殺害事件 過去にも

 近所に住む複数の住民や親戚らを殺害した事件は、過去にも起きている。

  2013年7月21日から22日にかけて、山口県周南市で民家の焼け跡などから5人の遺体が発見され、同県警は同月26日、同じ集落に住む無職の男を殺人容疑などで逮捕した。

  04年8月2日には、兵庫県加古川市で2家族7人が刃物で刺されるなどして死亡。同県警は同月31日、事件直後、現場近くで衝突事故を起こし入院していた被害者のおいを殺人容疑で逮捕した。00年8月14日には大分県野津町(現・臼杵市)の農業男性方に、近くに住む県立高校1年の少年が侵入し、ナイフで一家6人のうち3人を殺害、3人に重傷を負わせた。

 
  ストーカーの疑い
2015.01.22 朝刊 

  【岐阜県】北方署は21日、ストーカー規制法(禁止命令)違反の疑いで、岐阜市安食、無職A容疑者(35)を逮捕した。

  逮捕容疑は、県公安委員会から禁止命令を受けているにもかかわらず、4日ごろから19日ごろまでの間、元交際相手の会社員男性(34)宅のポストに手紙を複数入れるなどのストーカー行為をしたとされる。

  署によると「禁止命令を受けたことがない」と容疑を否認している。男性は昨年4月に署にストーカー被害を相談。署はA容疑者に文書で警告したが、ストーカー行為を続けたため、同9月に県公安委員会から禁止命令が出されていた。

 
  情報入手 元探偵に有罪 逗子ストーカー、地裁判決
2015.01.21 朝刊 

  神奈川県逗子市で二〇一二年、三好梨絵さん=当時(33)=がストーカー行為の男に殺害された事件で、逗子市職員から三好さんの住所を聞き出し、市の業務を妨害したとして偽計業務妨害などの罪に問われた元探偵業A被告(61)に対し、名古屋地裁は二十日、懲役二年六月、執行猶予五年(求刑懲役三年)の判決を言い渡した。

  入江猛裁判長は「市役所などに成り済まし電話をかけ、相手側の動揺や心情につけ込んだ犯行は巧妙で悪質だ。被告が入手した情報で新たな犯罪が引き起こされた」などと指摘した。

  判決によると、被告は一二年十一月五日、逗子市納税課に電話し、三好さんの夫に成り済まし「市役所から税金支払いの書類が来た」などとうそを言い、職員に情報端末で照会させて三好さんの住所を聞き出し、職員の業務を妨害した。

  三好さんにストーカー行為をしていた元交際相手の男が、住所情報の入手を千葉県の別の探偵業者に依頼。その業者からA被告は発注を受けていた。住所を把握した男は翌六日、逗子市で三好さんを刺殺し、その場で自殺した。

  公判でA被告は「逗子市納税課には電話していない。住所は民間会社から入手して回答した」と無罪を主張していた。だが、判決は、被告が情報入手の依頼を受けた十分後に逗子市の端末で情報が照会され、さらにその十分後には被告が発注業者に住所を回答していたと指摘。納税課で対応した職員を特定した上で、被告の犯行を認定した。

  被告はほかに、千葉県のガス会社から契約者の情報を不正に聞き出すなどしたとして、不正競争防止法違反罪にも問われていた。

     ◇

 個人情報の管理

  各自治体で強化

  端末操作の履歴確認

  逗子ストーカー殺人事件をめぐる名古屋地裁の判決では、逗子市から被害女性の個人情報が流出した事実が認定された。事件を受けて、各地の自治体では個人情報の管理を強化する取り組みが進んでいる。

  逗子市では昨年十二月、住民基本台帳や納税情報を扱う担当課の情報端末を改修。事前にストーカー行為やドメスティックバイオレンス(DV)の被害者らが閲覧制限を申請していた場合、職員が名前を検索すると、画面に大きな警告文が表示されるようにした。

  さらに、端末を操作するには指による生体認証が必要な仕組みを導入し、使用した職員を後で特定できるようにした。また、個人情報の保護対策マニュアルを新たに策定したという。担当者は「情報流出を許さないよう、異なる部署間の連携を深めたい」と話す。

  事件を受け、愛知県は各市町村長宛てに通知文を送り、端末操作の履歴を確認するなどセキュリティー対策の徹底を呼び掛けた。名古屋市税制課は二〇一五年度以降、逗子市と同様に、情報端末で生体認証システムの運用を始める方針だ。

  NPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)の担当者は「各種の対策導入も必要だが、結局は職員の意識次第だ。ストーカー被害者らの実情を理解する研修を取り入れるなど、重要な情報を扱っているという認識を高めてほしい」と指摘する。

  ■逗子ストーカー殺人事件の経過

  2011年

  6月 神奈川県警逗子署が三好梨絵さんへの脅迫疑いで、元交際相手の男を逮捕

  9月 元交際相手の男に懲役1年、執行猶予3年の判決

  2012年

  11月 元交際相手が三好さんの住所特定を千葉県の探偵業者に依頼。小浜被告が神奈川県逗子市納税課職員から聞き出したとされる(5日)

     元交際相手が三好さんを刺殺し自殺(6日)

  12月 神奈川県警が殺人の疑いで元交際相手を容疑者死亡のまま書類送検

  2013年

  11月 千葉県内のガス会社の契約者情報を不正入手したとして、愛知県警が小浜被告を逮捕

  2014年

  1月 逗子市役所に電話をかけ業務を妨害したとして、愛知県警などが小浜被告を再逮捕

  2015年

  1月 名古屋地裁が小浜被告に懲役2年6月、執行猶予5年の判決

 
 昨夏、口論から通報騒ぎ 死亡経緯、解明へ 平塚遺棄事件 /神奈川県
2015.01.16 東京地方版/神奈川 

  平塚市の相模川で昨年11月、厚木市飯山のAさん(当時26)の遺体が見つかった事件。死体遺棄容疑で15日に県警に逮捕された元交際相手の建設作業員B容疑者(34)=大和市柳橋2丁目=は「Aを川に捨て、すみませんでした」と供述しているという。県警は2人の間のトラブルについて調べる方針。

  Aさんは昨年10月27日未明、B容疑者に会いに行く、と言い残して横浜市瀬谷区の母親宅を出た後、行方が分からなくなった。遺体は11月5日、平塚市馬入(ばにゅう)の相模川の浅瀬で見つかった。県警によると、遺棄現場付近の防犯カメラには、B容疑者の車が映っていたという。

  「車で移動中にトラブルがあり、亡くなった」。B容疑者の供述によると、瀬谷区のAさんの母親宅付近で吉田さんを乗せたあと、大和市方面に向かう途中でトラブルがあったという。県警は今後、亡くなった経緯について調べる。

  B容疑者の自宅近くの住民によると、B容疑者はAさんを「フィアンセ」と紹介。その一方で、2人がけんかする姿をしばしば目撃していたという。

  県警などによると、昨年7月には2人が大和市内の夏祭りに行った際、口論から騒ぎとなり住民が110番通報。警察官が駆けつけるとB容疑者はおらず、電話にも出なかった。

  DVなどの心配をして警察官が自宅を訪問することをAさんに提案したが、「今までひどい暴力もないので注意しなくて結構です」と話したという。

  Aさんの知人によると、交際をやめた後もB容疑者はAさんの母親宅を急に訪れるなどしていた。Aさんはフェイスブックに「ストーカーもやめて」と書き込んでいたが、県警にAさんからストーカー被害の相談はなかった。

  Aさんが行方不明になり、母親がB容疑者に電話で所在を知らないか尋ねると、「知らない」と答えていたという。B容疑者は昨年10月29日、自らのフェイスブックに「(Aさんと)連絡取れなくなって困ってます。誰か情報ありましたら教えて下さい」などと投稿。朝日新聞の取材に対しても、「自分でも(事件を)調べている」と答えていた。

  ■被害者の遺族「娘の将来を思うと無念」

  Aさんの両親は「娘がいなくなって心配する私たちと一緒に捜してくれたのは、全て彼の偽装工作だったのかと思うと、裏切られたという気持ちでいっぱいです。これから資格を取ったりして頑張っていきたいと娘から聞いたばかりでした。娘の将来を思うと無念でならず許せません。正直に全てを話して欲しいです」と弁護士を通じてコメントした。

 
 ゆがんだ「愛情」 ストーカー犯罪 中高年ストーカー急増
2015.01.14 朝刊 

  ストーカー事件で摘発される中高年が急増している。昨年一~九月、警視庁に摘発された四十代以上は九十七人で、二〇一三年同期の二十七人から三・六倍に増加。七十代も五人いた。高齢化社会が抱える問題の一端をにじませるケースもある。(北川成史)

  「最後の恋」執着

  「大人だから」思い込み危険

  「この年代でストーカー被害に遭うとは」。会社員の女性(57)は、思いを振り絞った。

  〇五年夏、小学校の同窓会で、同級生だった男と再会し、交際を始めた。互いに離婚して独身だった。

  最初やさしかった男の態度に、一年ほどで変化が表れる。派遣労働の男に職を定めるように勧めた時や、社会問題で意見が合わなかった時、怒鳴ったり、いすを蹴飛ばしたりした。

  ズルズルと交際を続けた結果、暴力や暴言はエスカレート。〇八年九月、ささいな理由から蹴られるなどの暴行を受け、気を失った。気付くと自宅の玄関にほったらかしにされていた。翌日、病院に運ばれたが、頭蓋骨骨折など二カ月の重傷だった。

  入院中、男から謝罪名目で、執拗(しつよう)なメールを受けた。関係を絶つため、無視していたが、退院後、男が自宅を訪れ、インターホンを鳴らし続けた。息を潜めていると、携帯電話に一分間隔で、四十回もの着信があった。

  通報でやって来た警察官に避難を勧められたものの、戸惑った。婦人相談所には、規定で中学生の息子を連れて入れない。やむを得ず、ホテルに身を隠した。会社にも「家族全員をむちゃくちゃにする」と電話があり、一年近く休職した。

  〇九年、男は傷害罪で起訴され、執行猶予付き判決を受けたが、女性の心身の傷は深い。後遺症で左足にまひが残り、事件前後の記憶が抜け落ちている。

  犯罪被害者団体の講演などで、自身の体験を伝えている。「『大人同士だから大丈夫』という思い込みは危険。おかしいと感じたら、警察や行政の相談窓口に話して」

      ◇

 「独り身の寂しさからやった」。昨年二月、好意を寄せた三十代の女性への脅迫容疑で逮捕された七十三歳の男は、こう供述したという。

  警視庁によると、男は一三年夏、会員制交流サイト(SNS)のミクシィで、女性と知り合った。男は自身を三十代と偽り、無料通信アプリ「LINE」などでメッセージを交わしたが、「住所や電話番号を送って」「裸の写真を送って」などと送りつけるようになった。

  女性が無視していると、昨年一月、「自分はいつ死んでもいい。刺し違えてもいい」と危害を加えるようなメッセージを送信。男は逮捕され、罰金十万円の略式命令を受けた。

  中高年ストーカーについて、加害者更生に取り組むNPO法人「ステップ」の栗原加代美理事長は「年を取るほど『最後の恋』と執着心が強まる。プライドの高さや男性優位の考え方が復讐(ふくしゅう)心を過熱させる傾向がある」と指摘している。

  高齢加害者の対策急務

  70代も5人

  警視庁によると、昨年一~九月にストーカー事件で摘発された四十代以上の性別は、男性八十四人、女性十三人。年代別では、四十代六十人、五十代二十三人、六十代九人、七十代五人だった。

  一方、被害者となった四十代以上は五十二人で二〇一三年同期の十五人から三・五倍。七十代も二人いた。

  全国の警察の統計でも、四十代以上の加害者は一三年、八千四百六十六人で、〇九年の一・六倍になっている。警視庁の担当者は「警察が即応態勢を整え、積極的に摘発しているのが一因だが、高齢化社会で今後も増えるだろう」と予測する。

  ステップの栗原理事長は「更生プログラムや相談窓口の充実、高齢者を孤立させない地域づくりなど、社会全体の取り組みが必要」と、加害者へのきめ細かい対策の重要性を訴える。

 
 探偵の裁判書類、地検がミス ストーカー被害者情報事件 【名古屋】
2014.12.19 名古屋朝刊

  神奈川県逗子市で2012年に起きた「逗子ストーカー殺人事件」の同市の被害女性の個人情報を調べるなどしたとして、偽計業務妨害と不正競争防止法違反の罪に問われた探偵業A被告(61)への捜査・公判について、名古屋地検は18日、裁判書類に確認ミスがあったと明らかにした。

  A被告は、千葉県内のガス会社から同県市川市の顧客情報を取得したとする不正競争防止法違反の罪に問われている。名古屋地検は、このガス会社からの告訴状を不完全なまま裁判所に提出していたという。

  公判は10月17日に論告、弁論を終え結審しており、今月24日に名古屋地裁で判決が言い渡される予定だった。だが、地検が論告のやり直しを申し立てたため、判決が延期される可能性があるという。

 
 GPS機能悪用ストーカー増加 ハイテク化 警察警戒 居場所特定、殺人も
2014.12.01 

  衛星利用測位システム(GPS)を悪用して元恋人らに付きまとうストーカー犯罪が深刻化している。高性能なGPS機器が簡単に手に入るようになり、被害者が身を隠しても車などに付けられて、居場所を突き止められてしまう危険があるためだ。殺人事件に至ったケースもあり、警察は“ハイテクストーカー”に目を光らせている。

  「彼女に未練があり、行動を知りたいと思った」。警視庁が8日、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕した川崎市多摩区の会社員の男(58)はそう供述した。

  逮捕容疑は9~10月に2度にわたり、かつて交際していた女性の車の底部や後輪付近に市販のGPS機器を付けるなどした疑い。男は女性に復縁を迫り、今年夏に警視庁から口頭注意を受けていた。位置情報を印刷した紙を複数持っており、パソコンなどで居場所を把握していたとみられる。

  ストーカー規制法にはGPSに関する条文はないが、警視庁はストーカー行為の一種の「見張り」とみなし、立件にこぎつけた。警視庁幹部は「あまり前例のない事件なので慎重に捜査した。今後も同様の被害があれば、積極的に摘発したい」と話す。

  群馬県館林市で2月に鈴木千尋さん=当時(26)=が射殺された事件では、居場所を知らせるGPS付き携帯電話が悪用された。事件後に自殺した元交際相手の男=当時(39)=は知人の男(42)に、鈴木さんの父親の車にGPS機能を備えた携帯を付けるよう依頼していた。鈴木さんは元交際相手から逃れて転居し、住民基本台帳の閲覧制限を申請していた。だが、捜査関係者によると、2月に大雪が降った後、父親が雪かきを手伝いに鈴木さん宅を訪れた際、GPSで居場所を突き止められたとみられる。

  GPSを使ったストーカー犯罪の統計はないが、近年目立っている。2010年12月に滋賀県守山市で女性が刺殺された事件や、11年5月に神戸市で女子大生が刺され重傷を負った事件でも監視に使われたとされる。

  GPS付き携帯は、子どもや高齢者に持たせればパソコンなどで現在地を確認できるため、見守り目的で普及してきた。捜査関係者は「身の回りの機器が便利になるほど、悪用する人間も増える。GPSによるストーカー被害は増加するだろう」と警鐘を鳴らしている。

 
 SOS・なくせストーカー:面識ないのにつきまとわれ 被害女性「今も見張られているよう」
2014.11.11 西部朝刊 

  <Stamp Out Stalker>

  駅や路上などで見かけただけで一方的な好意を抱いてつきまとうストーカー被害が後を絶たない。加害者の正体や理由がわからないため恐怖も大きく、精神的な後遺症が残る被害者もいる。毎日新聞の取材に応じた岐阜県内の女性(23)は約2年にわたり30代の男につきまとわれ、引っ越しや離職を余儀なくされた。「なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか」。悲痛な思いを語った。【加藤沙波、藤沢美由紀、長谷川豊】

  女性が外出するたび誰かの視線を感じるようになったのは、高校を卒業した数年後のことだ。気のせいと思っていたが、近所の人が母親に教えてくれた。

  「窓からいつも娘さんを見とるよ」

  男は母親とともに近所に引っ越してきていた。一回り以上年上である上、家に引きこもっているような状態で、特に意識はしていなかった。男はカメラや双眼鏡を手に自宅の窓から女性を監視していた。物陰に隠れてじっと見ていることも。出勤しようと駐車場に行くと近くに立っていたり、後をつけたりするようにもなった。

  最寄りの警察署にも相談したが、つきまといはやまなかった。今年2月、女性の職場近くの駐車場にいたところを警察官に見つかり、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。

  押収された記憶媒体のSDカード9枚からは、隠し撮りした大量の女性の写真や動画が見つかり、居場所を把握できるGPS(全地球測位システム)発信機を女性の車に取り付けていたことも分かった。女性宅のごみを勝手に回収し、レシートに記された購入品をノートに書き留めていたことも判明。ストーカー規制法違反などの罪で起訴された男は、公判で「女性が好きだった」と述べた。有罪判決が確定し、現在は執行猶予中だ。

  一方で、女性は身を隠すため、昨年と今年の2度、引っ越しをした。やりがいを感じていた職場も変えざるを得なかった。「精神的に追い込まれ、引っ越しが続いて経済的にも余裕がなくなった。加害者が元の生活に戻っていると思うと、怒りがこみ上げる」と話す。

  今も、加害者に似た年代や背格好の男性を見ると平常心が保てなくなる。「まだ誰かに見張られているように感じる」。女性は、そう言ってうつむいた。

  ◇「狙われたら相手特定を」

  警察庁によると、この事件のように、ストーカー被害者からみた加害者との関係性が「面識なし」と分類されたケースは2012年だけで1149件。前年に比べると344件増加し、全体に占める割合も0・3ポイント増えて5・8%だった。

  捜査幹部は「被害者の自宅に突然、手紙や変な写真が送りつけられたりする事例が目立つ。加害者の連絡先が書かれている場合が多いが、誰か分からない人につきまとわれるケースもある」と話す。

  ストーカー相談を数多く受けているNPO「ヒューマニティ」(東京)の小早川明子理事長は「面識のない相手に狙われたら、警察に相談するか、防犯カメラの設置や警備会社に依頼するなどして相手を特定し、つきまといをやめるよう伝えるのが大事だ。特定できた場合、誰かに注意してもらうのもひとつの策だ」と指摘する。

  ◇再犯防止へ「対策研究会議」 逗子事件被害者の兄ら結成

  ストーカー被害者の遺族や専門家らが研究会を結成、加害者の再犯防止などを話し合う初の取り組みが15日から始まる。警察は立件を進めているが、事件の芽を早めに摘もうとすれば適用できる罪名は軽くなり短期間で社会復帰するケースも多い。研究会は、従来の取り組みでは限界があるとして保護司による面接などを通じて更生を支援する保護観察所の役割を重視し、加害者対策を進めたい考えだ。

  研究会は「ストーカー対策研究会議」。発起人は神奈川・逗子ストーカー殺人事件で、元交際相手の男に妹の三好梨絵さん(当時33歳)を殺害された福岡県在住の男性(43)だ。逗子事件を題材に約1年間会合を開き、大学教授や臨床心理学者らが議論。報告書として公表し、警察や行政の施策に反映させたいとしている。

  男性が特に注目しているのが保護観察所だ。加害者の男は事件の約1年2カ月前、三好さんへの脅迫罪で保護観察付きの執行猶予判決を受け、違反すると執行猶予が取り消されることがある「特別順守事項」として「一切接触しない」ことが定められた。男はその後も大量のメールを送りつけていたが、警察との連携不足から執行猶予は取り消されず、事件を防げなかった。

  現在、両者の連携は改善に向かっているが、男性は「保護司に加え、ストーカー相談を受ける民間のカウンセラーなども関与する形にすれば再犯の兆候に気付けるはず。保護司らが加害者の様子を被害者側に伝えるなど包括的な支援が必要」と訴える。【神保圭作】

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 ■ことば

 ◇逗子ストーカー殺人事件

  神奈川県逗子市で2012年11月、セミナーコーディネーターの三好梨絵さんが、元交際相手の男(当時40歳)に刺殺された。男は事件直後に自殺した。県警が11年に男を三好さんへの脅迫容疑で逮捕した際、逮捕状に記載された三好さんの結婚後の姓や住所を読み上げていたことが後に問題となり、警察庁は被害者情報を加害者に知られない配慮を各警察本部に通達した。

 
 SOS・なくせストーカー:面識なき隣人、むいた牙 隠し撮り/車にGPS/ごみ探り購入品一覧 被害女性「なぜ私が…」
2014.11.11 東京朝刊 

  <Stamp Out Stalker>

  駅や路上などで見かけただけで一方的な好意を抱いてつきまとうストーカー被害が後を絶たない。加害者の正体や理由がわからないため恐怖も大きく、精神的な後遺症が残る被害者もいる。毎日新聞の取材に応じた岐阜県内の女性(23)は約2年にわたり30代の男につきまとわれ、引っ越しや離職を余儀なくされた。「なぜ自分がこんな目に遭わなければならないのか」。悲痛な思いを語った。【加藤沙波、藤沢美由紀、長谷川豊】

  女性が高校を卒業したころ、男は母親とともに近所に引っ越してきた。一回り以上年上である上、家に引きこもっているような状態で、特に意識はしていなかった。

  外出するたびに誰かの視線を感じるようになったのは、その数年後のことだ。気のせいかと思っていたが、近所の人が母親に教えてくれた。

  「窓からいつも娘さんを見とるよ」

  男はカメラや双眼鏡を手に自宅の窓から女性を監視していた。物陰に隠れてじっと見ていることも。出勤しようと駐車場に行くと近くに立っていたり、後をつけたりするようにもなった。

  最寄りの警察署にも相談したが、つきまといはやまなかった。今年2月、女性の職場近くの駐車場にいたところを警察官に見つかり、県迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。

  押収された記憶媒体のSDカード9枚からは、隠し撮りした大量の女性の写真や動画が見つかり、居場所を把握できるGPS(全地球測位システム)発信機を女性の車に取り付けていたことも分かった。女性宅のごみを勝手に回収し、レシートに記された購入品をノートに書き留めていたことも判明。ストーカー規制法違反などの罪で起訴された男は、公判で「女性が好きだった」と述べた。有罪判決が確定し、現在は執行猶予中だ。

  一方で、女性は身を隠すため、昨年と今年の2度、引っ越しをした。やりがいを感じていた職場も変えざるを得なかった。「精神的に追い込まれた上、引っ越しが続いて経済的にも余裕がなくなった。加害者が元の生活に戻っていると思うと、やり場のない怒りがこみ上げる」と話す。

  今も、加害者に似た年代や背格好の男性を見ると平常心が保てなくなる。「まだ誰かに見張られているように感じる」。女性は、そう言ってうつむいた。

  ◇年間1000件超、増加傾向

  警察庁によると、この事件のように、ストーカー被害者からみた加害者との関係性が「面識なし」と分類されたケースは2012年だけで1149件。前年に比べると344件増加し、全体に占める割合も0・3ポイント増えて5・8%だった。

  捜査幹部は「突然、手紙や変な写真が送りつけられたりする事例が目立つ。加害者の連絡先が書かれている場合が多いが、誰か分からない人につきまとわれるケースもある」と話す。

  ストーカー相談を数多く受けているNPO「ヒューマニティ」(東京)の小早川明子理事長は「面識のない相手に狙われたら、警察に相談するか、防犯カメラの設置や警備会社に依頼するなどして相手を特定し、つきまといをやめるよう伝えるのが大事だ。特定できた場合、誰かに注意してもらうのもひとつの策だ」と指摘する。

  ◇加害者対策を重視 15日から研究会

  ストーカー被害者の遺族や専門家らが研究会を結成し、加害者の再犯防止などを話し合う初の取り組みが15日から始まる。警察は積極的な立件を進めているが、凶悪事件の芽を早めに摘もうとすれば適用できる罪名は軽くなり短期間で社会復帰するケースも多い。研究会は、被害者を逃がす従来の取り組みでは限界があるとして保護司による面接などを通じて更生を支援する保護観察所の役割を重視し、加害者対策を進めたい考えだ。

  研究会は「ストーカー対策研究会議」。発起人は2012年の神奈川・逗子ストーカー殺人事件で、元交際相手の男に妹の三好梨絵さん(当時33歳)を殺害された福岡県在住の男性(43)だ。逗子事件を題材に約1年間に7回程度会合を開き、大学教授や臨床心理学者らが議論する。報告書として公表し、警察や行政の施策に反映させたいとしている。

  男性が特に注目しているのが、保護観察所だ。加害者の男は事件の約1年2カ月前、三好さんへの脅迫罪で保護観察付きの執行猶予判決を受け、違反すると執行猶予が取り消されることがある「特別順守事項」として「一切接触しない」ことが定められた。男はその後もメールを送りつけていたが、警察との連携不足から執行猶予は取り消されず、事件を防げなかった。

  現在、両者の連携は改善に向かっているが、男性は「保護司に加え、ストーカー相談を受ける民間のカウンセラーなども関与する形にすれば再犯の兆候に気付けるはず。保護司らが加害者の様子を被害者側に伝えるなど包括的な支援が必要」と訴える。

 
 ストーカー被害訴え 26歳女性の遺体発見
2014.11.09 TBS 

 神奈川県平塚市の相模川で女性の遺体が発見された。この助成は母親に元交際相手のもとに荷物を取りに行くと言い残してから、行方が分からなくなっていた。フェイスブックにストーカー被害にあっていたような形跡があることから、警察は交際相手とトラブルが合ったものと見て捜査を進めている。

 
 「ストーカーやてめくれ」 相模川で26歳女性の遺体発見
2014.11.09 TBS 

 神奈川県の相模川で発見された遺体が、行方不明だった厚木市の女性と判明した。女性は先月27日に母親が見かけたのを最後に行方不明となっていた。司法解剖の結果、女性は鈍器で頭部を殴られ殺害されたあと遺棄されたことが明らかになった。行方不明になる6日前にはストーカー被害を訴える書き込みをしており、全身にアザや細かい傷があったことから、警察は「女性が執拗に暴行を受けた可能性もある」とみて交友関係を中心に捜査している。

 
 「ストーカーやめて」県警には相談なし 平塚遺棄、交友を捜査 /神奈川県
2014.11.07 東京地方版/神奈川

  平塚市馬入(ばにゅう)の相模川の浅瀬で5日にみつかった遺体は、厚木市飯山のAさん(26)と判明した。関係者によると、Aさんは最近、知人に「死にたい」と漏らしたり、「ストーカーもやめて」などとフェイスブックに書き込んだりしていたという。県警は交友関係でトラブルがなかったかなどを調べている。

  遺体が発見されたのは、JR東海道線と国道1号が通る馬入橋のたもと付近。5日朝、布団などにくるまれてロープが複雑に巻かれ、両足の指先が出た状態だった。県警は6日朝、遺体がみつかった時間に合わせて、馬入橋を通る人たちに尋ねるなど目撃情報を集めた。ただ、遺体は上流から流れ着いた可能性もあると県警はみている。

  県警が6日に司法解剖をした結果、死因は右頭部の打撲による脳挫滅の疑いが強いとわかった。鈍器で殴られた跡が複数あり、骨折していたという。死亡推定時期は10月下旬ごろとみられる。殺人・死体遺棄事件として、平塚署に90人態勢の捜査本部を設置した。

  県警の調べによると、Aさんは10月27日未明、それまでの数日間を過ごした横浜市内の母親(49)宅を出た後に行方が分からなくなり、母親が31日に瀬谷署に届けていた。遺体発見の報道後の5日夕方に、Aさんの友人の女性(26)から平塚署に「友達がいなくなっている」と連絡があったという。Aさんから県警にストーカー被害の相談はなかったという。

  厚木市のAさんの実家近くに住む女性は「きちんとあいさつができる良い子。会ったら世間話をすることもあった」と話し、事件に驚いた様子だった。

 
  鈍器で殺害後に遺棄 ストーカー被害情報 神奈川の女性遺体
2014.11.07 朝刊 

  神奈川県平塚市馬入の相模川でAさん(26)=同県厚木市飯山=の遺体が見つかった事件で、遺体を包んでいた布の中に石の塊二個が入っていたことが、捜査関係者への取材で分かった。司法解剖の結果、死因は頭蓋骨骨折を伴う脳挫滅と判明。県警は鈍器で殴られ殺害された後に遺棄されたと断定し、殺人と死体遺棄容疑で平塚署に捜査本部を設置した。

  一方、Aさんの友人の女性(22)は六日「Aさんがフェイスブックで、ストーカーやめてくれ、イライラする、と書き込んでいた」と明らかにした。捜査本部も書き込みを把握、事実関係の確認を進めている。

 
ストーカー被害を書き込み
2014.11.06 フジテレビ ニ

神奈川県平塚市の相模川で、布団のようなものにくるまれた遺体が見つかった事件で、遺体は厚木市の26歳の女性であることがわかった。女性は事件前、ネットに「スートーカーやめてくれ」などと書き込んでいた。この6日後に失踪しきのう遺体で見つかった。この遺体は透明なビニール袋に入れられた上、布団のようなもので包まれ足の指先だけが出ている状態で、ロープが縦横に何十にも巻かれており、死後5日から10日ほど経過していた。右側頭部には鈍器などで殴られたような複数の傷があり、下半身には下着をつけていなかった。司法解剖の結果、死因は頭部打撲による脳挫滅の疑い。警察は殺人と死体遺棄の疑いで、被害者女性の交友関係を中心に捜査している。

 
 「ストーカー被害」アイドルが虚偽申告
2014.10.24 大阪朝刊

  女性アイドルグループ「CoverGirls」のメンバーの女性(22)が、性犯罪に遭ったと大阪府警に申告し、その後「嘘だった」と被害届を取り下げていたことが23日、分かった。女性は「ライブに出なくてすむと思った」と話しているという。グループのブログには20日付で「ストーカーの被害に遭った。ショックが大きいため、活動を休止する」と書かれており、21日に東京で開かれたライブへの出演をやめていた。グループは平成23年に結成され、現在のメンバーは13人。CD4枚を発売している。

 
 女子大生 “刺殺” 逮捕男「誰でもよかった」
2014.10.17 テレビ朝日 

 埼玉県入間市の大学3年生の女性がコンビニ店のアルバイトを終えて帰宅中自宅まで30メートルほどの路上で胸など十数カ所刺され死亡した。入間市に住む大学2年の男性が事件から3時間後に出頭し逮捕された。容疑者は「誰でもよかった」と供述している。警察によると2人に面識は無く女性からストーカー被害の相談も無かったとのこと。

 
  増加一途 ストーカー被害 加害者対応NPO理事長 小早川明子さんに聞く 早めに第三者介入を 説得無理 脅迫される前に
2014.10.05 朝刊 

  痛ましいストーカー事件が後を絶たない。ストーカー被害を警察が把握した件数は2013年で約2万1千件と過去最多、殺人事件は15件だった。加害者はどのような心理なのか。被害に遭いそうな時は、どのように危険を避ければいいのか。約500人のストーカー加害者に対応してきたNPOヒューマニティ(東京)理事長でカウンセラーの小早川明子さんに聞いた。

  小早川さんは将棋に例えて、加害者が理解しようとしない人間関係のルールをこう説明する。「将棋では、動かせるのは自分の駒だけです。相手に駒の動かし方を指図できません。自分はもう一局したいと思っても、それを決めるのは相手です」

  加害者はこのルールを無視して、相手を支配しようとするためトラブルになってしまう。「なぜ自分と別れたいのか、理由を知りたい」といくら粘っても「相手が嫌ならば、別れるより仕方ない」と小早川さん。

  だが、加害者が1、2カ月も「別れたくない」と納得しない場合、1人で説得しようとしても不可能だという。「絶対に加害者に会わずに、弁護士や親など冷静で公平な視点がある第三者に介入してもらうしかない」

  いきなり警察に警告してもらうと、絶望感にとらわれて、かえって危険度を増す加害者もいる。「このまま続くと警察に相談するしかない」と事前に通告しておくよう助言する。

  ただ「警告を受けても、加害者が不満を言える第三者の窓口を用意しておくことが大切。はけ口があれば、報復を恐れずに警告を要請し、告訴できる」と話す。

  危険を避けるには「戻ってこなければ、おまえの人生をめちゃくちゃにしてやるぞ」などと脅迫が始まる前に、警察や第三者に介入してもらうことが必要だという。

  近年、増えているのは10代の親からの相談だ。ネットで知り合っただけの中高生が、お互いに自分の分身としてアバターという虚飾のキャラクターでやりとりを繰り返し、実際に会うときに危険が増す。

  「長期休暇中に都会で初めて会い、千載一遇のチャンスとばかりにセックスしてしまう。ところが相手から連絡が急に途絶えて傷つき、ストーカー行為に火が付いてしまうのです」。親が気づいたときには深刻な事態に陥っている例が多いので注意が必要だという。

 【重大ストーカー事件】

  1999年10月 埼玉県桶川市で女子大生が刺殺された。ストーカー犯罪の捜査が問題となり翌2000年、ストーカー規制法が施行された。

  2011年12月 長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母が、加害者の男に殺害された。

    12年11月 神奈川県逗子市で女性が元交際相手の男に刺殺され、男は自殺した。翌13年にストーカー規制法が初めて改正され、執拗(しつよう)なメール送信が付きまとい行為に加えられた。

    13年10月 東京都三鷹市で女子高生が元交際相手の男に殺害された。警察庁は全国の警察にストーカー対策強化を指示した。

 【まずは公的な支援窓口確認】

  ストーカー規制法や刑法などで摘発された件数は2013年で過去最多の1889件だったが、警察が被害を把握した2万1089件の約9%だ。ストーカー規制法の警告は2452件、禁止命令などは103件。法に抵触しない段階での相談が多いことがうかがわれる。

  「警察が介入する前に相談できる窓口や被害者をケアする施策の充実が必要。まずは最寄りの公的な相談窓口や支援制度を確認しておいてほしい」とNPOヒューマニティ理事長の小早川明子さんは話している。

  日本司法支援センター(法テラス)では、法律の無料相談をして、加害者と話し合う弁護士を紹介してもらえる。各都道府県に1カ所はある婦人相談所では、加害者から身を隠すために一時避難ができるように支援してもらえる。電話や面接での相談も受け付けている。福祉事務所では、加害者から逃げるために離職した後の生活相談などができる。「家族や学校、職場にも事情を説明しておくと心強い」と小早川さんはアドバイスする。

 
 19歳連れ回し 現行犯逮捕 郡山の男、未成年略取の疑い=福島
2014.10.04 東京朝刊 

  知り合いの女性(19)を刃物で脅して車で連れ回したとして、郡山署は2日、郡山市桑野、無職A容疑者(44)を未成年者略取の疑いで現行犯逮捕した。

  発表によると、A容疑者は2日午後6時10分頃、棚倉町の路上で女性にカッターナイフを突き付け、女性の車に乗せて約5時間連れ回した疑い。同日午後10時半頃、女性の知人が110番し、署員が午後11時10分頃、郡山市内で車を見つけ、女性を無事保護した。

  同署によると、A容疑者は別の知人女性に付きまとうなどのストーカー行為をしていて、「女性の居場所を聞き出そうとした」と供述しているという。同署はこの女性からストーカー被害の相談を受けていた。

 
 社説・ストーカー対策 時代に敏感な法規制を
2014.09.19 朝刊

 相手に執着して付きまとったり嫌がらせを繰り返したりするストーカー行為の被害が増えている。

 昨年、全国の警察が把握したストーカー被害は約2万1千件で、過去最悪を記録した。徳島県内では、前年と比べ6件多い214件が認知されている。

 凶悪化も深刻だ。ストーカー犯罪は近年、被害者が殺害されるケースも目立つ。

 法規制の在り方を見直すとともに、取り締まりなどの対策を強化して被害増加に歯止めをかけたい。

 警察庁の有識者検討会がストーカー行為の規制の在り方について報告書をまとめた。

 報告書は「執行猶予付き判決などで加害者がすぐに釈放されると、被害者は報復を恐れ、摘発に消極的になる」と現状を分析。その上で、ストーカー規制法の罰則が「比較的軽く、威嚇力に乏しい」と強化を求めている。

 「ストーカー行為は被害者の日常生活を困難にする重大犯罪である」とも訴える。

 検討会には、1999年に埼玉県桶川市で長女を殺害された〓野憲一さんが遺族として初めて参加した。被害者の切実な声として、真(しん)摯(し)に耳を傾けなければならない。

 規制法の罰則は「6月以下の懲役または50万円以下の罰金」である。被害が深刻化している現状を踏まえれば、罰則強化もやむを得まい。

 禁止命令の手続き簡略化など、報告書に盛り込まれたほかの対策も含めて、必要な法改正を実施すべきだ。

 罰則に頼るばかりでは被害根絶は難しい。

ストーカー加害者の治療経験のある精神科医によると、警察の警告を受けた8割はストーカー行為をやめるが、残りは違法だと分かっていてもやめられない「ストーカー病」だという。

 再犯を根本的に防ぐには治療が必要とする意見を取り入れ、警察庁は本年度から加害者に精神科医の受診を促し、効果を検証する研究を進めている。来年度は対象となる地域や人数を拡大する予定だ。

 再発防止の切り札として、早期の本格導入に期待が集まっている。

ストーカー被害者の半数近くは10~20代である。トラブルに巻き込まれない交際の仕方や、むやみに他人に画像を送らないなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の適切な利用方法を、教育現場で教えることも大切である。

 家庭でも話し合う機会を持って、未然防止につなげてほしい。

ストーカー規制法は、〓野さんの長女が犠牲となった殺人事件を契機に、2000年11月に施行された。昨年、初めて改正され、メールがやっと規制対象に加えられた。

メールが対象から外れていたのは法の不備として長らく指摘されており、一歩前進である。だが、急速に利用が広がっているSNSに対する規制が見送られたのは理解に苦しむ。

 交際中に撮った画像を別れた後に腹いせにインターネット上にばらまく「リベンジ(復(ふく)讐(しゅう))ポルノ」と呼ばれる嫌がらせも深刻化している。

 通信手段の進歩によって手口が多様化するストーカー行為に、法改正が追いついていないのは問題である。

 時代の流れに敏感な対応が必要だ。

 
 ストーカー対策を紹介 制度や法令を解説 被害者支援も提示
2014.09.18 朝刊 

  ストーカー被害から身を守る方法を解説する「ストーカー 被害に悩むあなたにできること リスクと法的対処」が、日本加除出版から発行された。弁護士の長谷川京子さんと共同通信社会部次長の山脇絵里子さんの共著。2013年6月に改正ストーカー行為規制法、改正DV防止法が成立したのに対応し、制度や法令を分かりやすく伝えている。

  長谷川さんが日本のストーキング対策の歴史を振り返り、法改正のポイント、現行法令や制度を使った対策を説明。山脇さんは起こった事件、法改正に至る経緯を紹介。警察が進める被害者支援や加害者対策といった新たな動きも紹介した上で、残る課題や望ましい支援の在り方を提示している。巻末資料も充実。

  A5判、240ページ。1944円。
 
 SOS・なくせストーカー:風俗業界の被害深刻 事情話せず苦悩 支援本格化、17日に相談会
2014.09.15 東京朝刊 

  <Stamp Out Stalker>

  ストーカー被害に遭いやすい上、被害を訴えにくい風俗など性産業従事者(セックスワーカー)のストーカー対策を支援する動きが出始めた。風俗業界で働く人たちへの支援の取り組みは珍しい。性産業従事者の安全と健康が守られる労働環境を目指す民間団体「SWASH(スウォッシュ)」(大阪)は17日、ストーカーに特化した当事者向けの質問会(相談会)を初開催し、今後は常に相談を受けられる体制作りに取り組むとしている。

  「写真をばらまくと言われた」「『人生をめちゃくちゃにしてやる』と脅された」

  2013年度、スウォッシュが風俗店への訪問や電話で受けた相談例だ。全体の1割ほどを占めたのが、ストーカー化した客についての相談だった。知らせていない自宅や最寄り駅で待ち伏せされたり、力ずくで連れ去られそうになったりするなど悪質なケースも含まれていたという。

  質問会では、ストーカーに関する相談を数多く受けているNPO「ヒューマニティ」(東京)理事長の小早川明子さんが講師役となり、ストーカーになりやすい客の見分け方や避け方を学ぶ。スウォッシュによると、性産業従事者の場合、業界への偏見や、同居の家族らに仕事が発覚することを恐れ、警察への相談をためらうケースが多いとされる。実際に被害に遭った従事者は勤務先を変えたり、転居を余儀なくされたりしているという。

  小早川さんもこれまで20件ほど性産業従事者からの相談に乗った経験がある。「信頼できる知人や弁護士などに間に入ってもらうといいが、危険が迫っている時には警察に知らせるべきだ。最近は警察も事情をくんで対処してくれるし、事情を話せば家族が理解してくれた例は多い。一人で悩まず相談してほしい」と助言する。スウォッシュは現在、スタッフの研修などを行い、相談員養成に取り組んでいるという。スタッフの一人の水嶋かおりんさん(31)は「仕事を周囲に隠している人はそれが弱みとなってストーカー被害に遭いやすい。性産業従事者への偏見や差別をなくすことも被害者支援につながる」と話す。

  質問会は17日午後2時から東京都内で。参加できるのは当事者だけで会場は参加者に知らせる。申し込みはメール(mail.swash@gmail.com)へ。

  ◇前年比53%増

  警察庁によると、性産業従事者と客だけでなく医者と患者、タレントとそのファンなど同様の関係性の中で起きた2012年のストーカー事案は前年比約53%増の1103件に上る。認知件数全体に占める割合も同比0・6ポイント増の5・5%で、申告をためらう傾向にある実情を考えれば実際のストーカー被害はもっと多いとみられる。

  関係性の割合が高い順では、交際相手(元交際相手含む)52・5%▽知人友人10・8%▽配偶者(内縁・元含む)9・3%――などだった。

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 ◇ストーカーになりやすい客の主な見分け方

・プレゼントをよく持参する

 ・同情を引く話をよくする

 ・1日3通以上メールを送信してくる

 ・店員らに対する態度が悪く、ほめないと機嫌が悪い

 ・3日間メールを返信しないと怒る

 ◇被害に遭わないために心がけるべきこと

 ・誰でもストーカーになり得るという意識を持つ

 ・住所の特定につながりかねない個人情報や顔写真を渡さない

 ・ストーカーは言葉にとても敏感。口約束はしない

 ※小早川さんへの取材で作成

 
 [社説]ストーカー対策 凶行から被害者を守りたい
2014.09.14 東京朝刊 

  執拗(しつよう)につきまとわれた末に、命まで奪われる。悲惨なストーカー被害をなくすため、対策を充実させる必要がある。

  警察庁は、来年度予算の概算要求にストーカー対策費として、総額3億6400万円を計上した。今年度予算の1・7倍の規模だ。被害者保護や捜査体制の強化に重点を置く。

  ストーカー被害の認知件数は昨年、2万件を超えた。10月には東京都三鷹市で、女子高生が元交際相手の男に刺殺された。

  今年に入ってからも、女性が犠牲になる事件が後を絶たない。今月には岩手県で女性が殺害され、元交際相手の男が逮捕された。

  いずれも、被害者は警察に被害を相談していたが、凶行を防げなかった。対策強化の必要性は、一段と高まっている。

  対策の柱は、今後3年間で各都道府県警の担当警察官を2000人程度増員することだ。被害者からの相談や身辺警戒などに振り向ける。きめ細かな被害者対応につなげてほしい。

  増員だけでなく、捜査員の質的なレベルアップも欠かせない。研修や実践によって、被害者や加害者の言動から、事態の切迫性を的確に見極め、迅速に対応する能力を身に付けたい。

  加害者から危害を加えられる恐れが高いケースでは、まず被害者が身を隠すことが肝心だ。避難先を確保できなかったり、宿泊費の負担が重荷になったりして、被害者が自宅に戻ったところを襲われるケースは少なくない。

  警察庁は、被害者が一時避難のためにホテルなどを利用した際、宿泊費用を全額補助する制度を導入する方針だ。被害者の身を守る新たな試みとして注目したい。

  ストーカー行為を繰り返させないための加害者対策も重要だ。

  加害者の多くは、病的な執着心や恨みなど、心理的な問題を抱えている。警察と医療機関が連携し、加害者を更生に導く仕組みが求められよう。

  警察庁は今年度から、警察が警告を発した加害者に、精神科医の治療を受けるよう促す取り組みを試験的に始めた。カウンセリング費用を政府が負担している。

  今年度の対象者は、約35人だ。来年度は110人程度に拡大するという。効果を検証し、治療プログラムを構築すべきだ。

  治療の専門的ノウハウを持つ医師をさらに増やす必要があるだろう。更生を支援するボランティア組織などを各地に根付かせることも、今後の課題である。

 
 県内のストーカー被害、2013年は過去最多 警察、行政に相談窓口
2014.09.11 朝刊 

  県警によると、県内のストーカー被害も昨年が220件(摘発18件)と過去最多。今年も1~6月で159件と、昨年を上回る勢いだ。悪質なストーカー事件が全国的に相次ぐ中、摘発を強化したことが背景にある。

  危険を感じたら、警察や行政に早く相談することが大切だ。

  県警では昨年11月、24時間態勢でストーカー事案に対応する「初期的事態対処チーム」を生活安全企画課に設置。相談の内容に緊急性が高い場合はすぐに出動し、加害者に警告などをする。

  県女性相談センター(熊本市東区)では平日午前8時半~午後5時15分、電話や面接で相談に応じる。相談員はすべて女性で、県警と連携し被害者を一時保護することもある。

  加害者から逃れるため離職し収入を失った場合は、県内27カ所の福祉事務所で生活保護の相談を受け付ける。

 
 DV・ストーカー被害/相談419件 最多ペース/1~6月 県警まとめ/前年より56件増
2014.09.11 朝刊 

  2014年上半期(1~6月)のDV(家庭内暴力)・ストーカー被害に関する相談件数が前年同期比56件増の419件となったことが、県警のまとめで分かった。内訳はDVの相談が339件(前年同期比31件増)、ストーカー被害相談が80件(前年同期比25件増)となり、過去10年間で最多の昨年を上回るペース。県警は、避難場所の提供など対策強化を進めているとし「行為がエスカレートしないうちに早い段階で相談してほしい」と呼び掛けている。

  県警子供・女性安全対策課(子女課)によると、DVやストーカー事案の相談件数は年々、増加傾向にある。報道などで社会的認識が広がったほか、県警などの対策強化や初期段階での対応の周知が増加の背景にあるとみる。

  摘発件数をみると、DV事案は47件で、暴行と傷害が全体の約8割を占め、6月には本島中部で元交際相手を包丁で刺すまでに至る殺人未遂事件が発生している。ストーカー事案13件で、住居侵入、脅迫がそれぞれ5件と上位となった。

  全国的にもDV・ストーカー事案は増加傾向で、昨年の認知件数はDVが4万9千件余り、ストーカーは2万1千件余りといずれも過去最多。事態の深刻化を受け警察庁は今年8月、被害者が一時避難する際の宿泊費を15年度から全額補助する方針を決めている。

  県警は、被害者を一時保護するシェルターの提供を進めている。自治体などと連携し、被害者の携帯番号・住所を登録し24時間体制で対処にあたる「犯罪被害者通報登録システム」も採用しており、実際被害防止につなげた例もあるという。

  相談者と行為者の関係は、ストーカー事案では「交際相手(元を含む)」が38件と全体の約半数、DVは婚姻・内縁関係が257件と全体の約75%を占める。同課は「被害者本人は世間体や恐怖心から相談を戸惑うことも多い。気づいた家族・知人は遠慮なく警察に相談してほしい」と呼び掛けている。

  相談・問い合わせは警察相談専用ダイヤル、#9110。

 
 女性殺害 ホテルに遺体 「ストーカー」訴え生かせず=岩手
2014.09.07 東京朝刊 

  ◆「客観的証拠ない」 県警、警告せず

 SOSを生かせなかった--。奥州市前沢区のホテルで5日、一関市山目、アルバイト松本瑞希(みずき)さん(23)が遺体で見つかった殺人事件。松本さんと家族は「ストーカー被害を受けている」と一関署に相談していたが、事件を防ぐことは出来なかった。

  一関署は8月29日と9月1日の2回、松本さんと家族から、「元交際相手の男からストーカー被害を受けている」との相談を受けていた。

  しかし、同署は、ストーカー規制法で定義されたストーカー行為に当てはまるとは判断せず、同法に基づく警告はしなかった。

  〈1〉ストーカー行為の根拠となりうるメールや写真などの客観的な証拠が、既に消去されていた〈2〉男が近くに住んでおらず、緊急性が高いと認識していなかった--というのが理由だ。

  同署の木下稔副署長は「対応が適切だったかどうか検討する」とする。その上で、「金を返せという要求や手首を切った画像などは、必ずしも恋愛関係に基づくものとは言えない。ストーカー規制法に該当するとは思わなかった」と説明している。

  県警は今年4月、ストーカーや女性に対する家庭内暴力(DV)などへの対応強化を図るため、生活安全企画課内に「人身安全対策室」を新設していた。一元的に被害情報を把握し、広域的な捜査に対応することが目的だった。

  ◆被害者家族「深い悲しみ」

  「活発で、明るい女性だったのに--」

  松本さんの自宅近くに住む女性は、突然の訃報に驚きを隠せなかった。「瑞希さんは、私の娘と年齢が近かった。買い物先で、瑞希さんのお母さんと会うと、瑞希さんのことを話題にすることもありました。とても残念です」

  近所に住む70歳代の女性は、「色白でかわいらしい感じの女性でした。こんなに悲しいことが起きるなんて、いまだに信じられない。本当にかわいそう」と唇をかんだ。

  事件発覚後の6日午前、松本さんの家族は、報道陣に対して「何もお話することはございません。そっとしておいてください」と話し、頭を下げた。

  その後、自宅玄関の扉に「最愛の瑞希を理不尽な犯罪によって突然奪われてしまった現実に直面し、深い悲しみのふちに立たされております。瑞希自身もさぞかし無念であったと思います。いまはまだ、この辛い現実を受けとめることができず、何も考えることができません」などと書かれた文書を掲示した。

◇事件の経緯(警察の発表による)
6月頃 松本さんと男が交際を解消
8月中旬 手首を切った写真のメールなどが、男から届くようになる
8月29日 松本さんの母親が一関署に相談
9月1日 松本さんが一関署に相談。同署は男に「ストーカーになりかねない」と電話で注意
9月5日 職場にいた松本さんが昼休み後、行方不明に。母親が夕方に一関署に届け出。午後9時15分頃、奥州市のホテルで松本さんの遺体と、負傷した男が見つかる
 
 岩手・女性殺害 県警「ストーカー警告」せず 「証拠ない」と判断
2014.09.07 東京朝刊 

  岩手県奥州市前沢区のホテル客室で5日夜、同県一関市山目、アルバイトAさん(23)が遺体で見つかった殺人事件で、県警は事件前、Aさんから「元交際相手の男からしつこくメールが来る」などと相談を受け、電話で注意したものの、ストーカー規制法に基づく警告はしていなかった。男から送られてきた写真やメールを松本さんが相談時に既に削除していたため、「ストーカーの根拠となる証拠がない」などと判断したという。

  県警は6日午後、客室で手首に切り傷を負って倒れていた男は、20歳代のAさんの元交際相手と特定した。県警は男の回復を待って詳しい事情を聞くとともに、7日に司法解剖をして死因を調べる。県警によると、松本さんと家族は8月29日と9月1日、男からストーカー被害を受けていると一関署に相談していた。2人は元同僚で、6月頃まで交際していた。

  8月頃から男がAさんに「テレビを買い替えた時の金を返せ」と連絡したり、手首を切った写真をメール送信したりし、Aさんが同署に「気持ち悪い」などと相談。同署は9月1日、「ストーカーになりかねない」などと男に電話で注意し、男は「わかりました。従います」と答えたという。しかし、男から送られた写真やメールがなかったため、同法に基づく警告はしなかったという。

  同署の木下稔副署長は「対応が適切だったかどうか検討する」とした上で、「相談内容が『金を返せ』など必ずしも恋愛関係とはいえないのでストーカー規制法の対象とするには難しいところもあった」と説明している。

 
 【ストーカー論 苦悩する警察】(2)危機感の温度差 事件化ためらう被害者
2014.09.06 大阪朝刊 

  警視庁三鷹署の一室。元交際相手からのストーカー被害の相談に訪れた高校3年の女子生徒=当時(18)=と両親と向き合った生活安全課の担当署員が切り出した。

  「この中から選んでほしい」。口頭警告、ストーカー規制法の文書警告、逮捕を含む刑事手続き…。警察に望む措置を問う文書だ。生徒が選んだのは口頭・文書警告。十分な知識も経験もない生徒に「逮捕か、警告か」と迫っても、戸惑い、ためらうのが当然の反応だったかもしれない。

  東京都三鷹市で昨年10月に起きたストーカー殺人事件。生徒は三鷹署に相談した当日、1人で帰宅直後に自宅に潜んでいたA被告(22)=殺人罪などで懲役22年、控訴中=に命を奪われた。数日前、関西から上京して待ち伏せるA被告を2度も見かけ、不安になったからこそ警察に相談したにもかかわらず、だ。

  昨年12月、警視庁は事件の検証結果で、署員がA被告の行動から危険性や切迫性を感じ取れず、単に警告で済ませたことに「問題があった」と認めた。

  ただ、ある捜査関係者は警察側のジレンマを指摘する。「危険な状況でも、刑事手続きとなるとためらう被害者がいる。『逮捕はやめて』と言われれば、その通りにしか動けない」

  ◆「大ごとにしないで」

  三鷹事件を機に始まった警察庁の有識者検討会。今年1月、出席した兵庫県警ストーカー・DV対策室長の岡本圭司警視は「相談者との間で危険性の温度差が激しいことが多い」と、処罰感情の乏しい被害者の対応の難しさを訴えた。

  警察は最悪の事態を想定して対処するのが基本だ。相談を受ければ、加害者の危険性を説明し、被害者保護に最も効果的とされる事件化が可能かどうか判断する。だが、「知ってもらえただけでいい」「大ごとにしないで」と、警察の積極介入に消極的な被害者も少なくないのだ。

  相談後の一時保護では、ある被害者は保護施設(シェルター)への入居を自ら希望しながら30分で帰宅した。「たばこが吸えない」などと生活面の制約を理由に入居を断る人もいる。

  警察が危険性を説明しても理解しない。いくら保護が必要でも、相談者1人のために警察官を24時間態勢で長期警備に従事させることは難しい。

  岡本警視は「警察は相談者の気持ちを理解しようと最大限努めるが、相談者も自ら強い意思を持たなければ現状を変えることはできない」と語る。

  ◆警告後も自由の身

  危機感の乏しさでなく、報復への恐怖心から警察に相談できないケースもある。過去にストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)被害を受けた経験のある人に多いという。

  ストーカー・DV被害者を支援するNPO法人「全国女性シェルターネット」の近藤恵子理事は、警察に被害を訴えても最初は警告にとどまることが多い現状を問題視する。「警告したところで加害者は自由の身。警告が行動を激化させると恐れ、相談自体をためらう」からだ。

  仮に警察が逮捕に踏み切ったとしても、報復の影におびえる日々になる。加害者の異常心理は容易には読み切れない。そこに、警察の苦悩がある。

  相談や事件化をためらう被害者の姿勢はどうすれば変えられるのか。近藤さんはハードルの高さを自覚しつつ、こう考える。

  「警察の不十分な対応が招く悲劇を二度と起こさないこと。警察に相談すれば、ひどい目には一切遭わないと被害者に思わせるしかない」

 
 【ストーカー論 苦悩する警察】(1)試される「刑事の目」
2014.09.05 大阪朝刊 

  ■1万分の1 殺人防げ

 単純計算で1万分の1。なのに、「ほとんど起きない」と楽観している警察官はいない。むしろみな恐れている。自分が判断を誤り、万が一が現実になることを。

  全国の警察が昨年把握したストーカー被害は過去最悪の2万1089件。このうち殺人は2件だった。

  その「1万分の1件」が、世間に与えるインパクトは強烈だ。東京都三鷹市の女子高生ストーカー殺人事件(昨年10月)は警察への相談帰りに起きた。「なぜ防げなかったのか」。結果の重大性が警察批判の嵐を呼び、組織の屋台骨を揺るがす。

  この事件を受け、警察庁は昨年12月、ストーカー対策の基本方針を転換。警告よりも逮捕を優先するよう各都道府県警に要請した。A4判で7ページに及ぶこのときの通達は1つの命題に貫かれているといっていい。

  ストーカー殺人だけは、何としても阻止せよ-。

  ◆相談を逆恨み

 「警察としてとりうる措置はとったが、残念だ」

  5月2日、大阪府警は報道機関に向けて、こんなコメントを発表した。

  大阪市平野区の路上でこの日未明、飲食店アルバイト従業員、Aさん=当時(38)=が包丁で刺され、死亡した。

  「警察に電話しろや殺されると!」

  「俺は本気やで」

  Aさんは3月2日、店の常連客だったB被告(58)=殺人罪などで起訴=の脅迫メールにおびえ、地元の府警松原署に相談した。対応したのは生活安全課員。そこに刑事課の捜査員も加わっていた。

  従来、ストーカー相談は生活安全部門の仕事と決まっていた。それが三鷹事件以降、初期から刑事部門も加わることが必須になった。付きまといが殺人や誘拐にエスカレートしないか。それを見極めるのが「刑事の目」だ。

  「殺す」というメールの文言は、警察庁が例示する危険性判断基準の「危害言動」に該当した。署員は一時避難と、事件化に必要な刑事告訴を強く勧めたが、井村さんは断った。最終的にはAさんの意向に沿い、ストーカー規制法上の警告にとどめた。

  「もうあいつにかかわる気はない」と署員に約束したB被告は、それから2カ月の沈黙を経て凶行に走った。殺害の動機として「警察に相談されたから」と供述した。

  「会うことも話すこともメールもできなくなった。接触を試みれば逮捕されるため、殺そうと思った」

  結果として警察介入はあだになった。警察に電話しろと言ったのは他ならぬB被告だ。常人とかけ離れたねじ曲がった心理を、刑事の目はとらえ切れなかった。

  ◆ちらつく限界

  埼玉県桶川市のストーカー殺人事件(平成11年)では被害者のSOSを放置し続けた。長崎県西海市のストーカー殺人事件(23年)では、対応に当たっていた千葉県警習志野署員が被害届の受理を先延ばしにして親睦旅行に出かけていた。警察のストーカー対策は、取り返しのつかない失態の歴史が繰り返されてきた。

  その反省から、ストーカー相談は今や、当日に警察署長と本部に速報することが決まっている。夫婦間のトラブルも同様だ。恋愛感情のもつれに起因するもめ事への対処は、警察署の最優先事項となった。「『夫婦げんかは犬も食わない』ということわざは、警察には当てはまらない」とある府警幹部は言う。

  何万件というトラブルの海の中に、凶悪事件の前兆が潜む。刑事の目はそれを見落とせない。試されているのは、「予知能力」に近い部分もある。

  これに対し、警察庁OBの後藤啓二弁護士(兵庫県弁護士会)は「凶悪事件につながるかどうかを担当者個人の勘に頼るべきでない。膨大な案件を抱える中で多くは甘い判断に流れてしまう。過去の事例を蓄積し、客観的な基準をつくるべきだ」と言い切る。

  ストーカー行為の規制の在り方を考える有識者検討会は8月、被害者に危害が加えられる恐れがあったり、客観的にみて危険だったりする場合、刑事告訴なしでも逮捕を可能にするよう警察庁に提言した。

  組織の目に刑事の目も加え、最悪の事態に発展する「芽」を見抜き、対策を講じる。限界の2文字がちらつくが、警察自身がそれを認めることはできない。

  警察庁の米田壮長官は大阪の事件後、全国の警察本部長にげきを飛ばした。

  「切迫する危険を『阻止してなんぼ』が刑事の神髄だ」

                   ◇

 対応を少しでも誤れば命の危険にさらされるストーカー事件。警察は年々増える被害相談に極度の緊張感を持って対処している。「ミスは許されない」という重圧と闘い、苦悩する警察の現状を追う。

                   ◇

【用語解説】ストーカー規制法

  恋愛感情やそれが満たされなかった恨みから、付きまといや嫌がらせを繰り返すことの防止策や罰則を定めた法律。被害者の申し出で警察は警告を出すことができ、従わない場合は公安委員会が禁止命令を出すことができる。罰則は被害者の告訴があれば6月以下の懲役または50万円以下の罰金。禁止命令に従わない場合は懲役1年以下または100万円以下の罰金。

 
 増えるストーカー被害 NPO理事長・カウンセラー小早川明子さんに聞く 危険避けるには早め相談 脅迫が始まる前に 第三者の介入必要
2014.09.04 朝刊 

  痛ましいストーカー事件が後を絶たない。ストーカー被害を警察が把握した件数は2013年で約2万1千件と過去最多、殺人事件は15件だった。加害者はどのような心理なのか。被害に遭いそうな時は、どのように危険を避ければいいのか。約500人のストーカー加害者に対応してきたNPOヒューマニティ(東京)理事長でカウンセラーの小早川明子さんに聞いた。

  小早川さんは将棋に例えて、加害者が理解しようとしない人間関係のルールをこう説明する。「将棋では、動かせるのは自分の駒だけです。相手に駒の動かし方を指図できません。自分はもう一局したいと思っても、それを決めるのは相手です」

  加害者はこのルールを無視して、相手を支配しようとするためトラブルになってしまう。「なぜ自分と別れたいのか、理由を知りたい」といくら粘っても「相手が嫌ならば、別れるより仕方ない」と小早川さん。

  だが、加害者が1、2カ月も「別れたくない」と納得しない場合、1人で説得しようとしても不可能だという。「絶対に加害者に会わずに、弁護士や親など冷静で公平な視点がある第三者に介入してもらうしかない」

  いきなり警察に警告してもらうと、絶望感にとらわれて、かえって危険度を増す加害者もいる。「このまま続くと警察に相談するしかない」と事前に通告しておくよう助言する。

  ただ「警告を受けても、加害者が不満を言える第三者の窓口を用意しておくことが大切。はけ口があれば、報復を恐れずに警告を要請し、告訴できる」と話す。

  危険を避けるには「戻って来なければ、おまえの人生をめちゃくちゃにしてやるぞ」などと脅迫が始まる前に、警察や第三者に介入してもらうことが必要だという。

  近年、増えているのは10代の親からの相談だ。ネットで知り合っただけの中高生が、お互いに自分の分身としてアバターという虚飾のキャラクターでやりとりを繰り返し、実際に会うときに危険が増す。

  「長期休暇中に都会で初めて会い、千載一遇のチャンスとばかりにセックスしてしまう。ところが相手から連絡が急に途絶えて傷つき、ストーカー行為に火が付いてしまうのです」。親が気づいたときには深刻な事態に陥っている例が多いので注意が必要だという。

 過去5年間増加の傾向 県内の相談件数

  県警によると本県の2013年のストーカー被害は、相談受理件数が252件で過去5年で最多。警告は20件、禁止命令は1件で、いずれも5年間では増加傾向にある。ストーカー規制法制定以降の統計で相談件数が最多だったのは2001年の414件だった。
 
 増えるストーカー被害 「危険回避」  専門家に聞く 早めに相談 第三者介入を
2014.09.03 朝刊 

  痛ましいストーカー事件が後を絶たない。ストーカー被害を警察が把握した件数は2013年で約2万1千件と過去最多、殺人事件は15件だった。加害者はどのような心理なのか。被害に遭いそうな時は、どのように危険を避ければいいのか。約500人のストーカー加害者に対応してきたNPOヒューマニティ(東京)理事長でカウンセラーの小早川明子さんに聞いた。

  小早川さんは将棋に例えて、加害者が理解しようとしない人間関係のルールをこう説明する。「将棋では、動かせるのは自分の駒だけです。相手に駒の動かし方を指図できません。自分はもう一局したいと思っても、それを決めるのは相手です」

  加害者はこのルールを無視して、相手を支配しようとするためトラブルになってしまう。「なぜ自分と別れたいのか、理由を知りたい」といくら粘っても「相手が嫌ならば、別れるより仕方ない」と小早川さん。

   1人で説得は不可能

  だが、加害者が1、2カ月も「別れたくない」と納得しない場合、1人で説得しようとしても不可能だという。「絶対に加害者に会わずに、弁護士や親など冷静で公平な視点がある第三者に介入してもらうしかない」

  いきなり警察に警告してもらうと、絶望感にとらわれて、かえって危険度を増す加害者もいる。「このまま続くと警察に相談するしかない」と事前に通告しておくよう助言する。

  ただ「警告を受けても、加害者が不満を言える第三者の窓口を用意しておくことが大切。はけ口があれば、報復を恐れずに警告を要請し、告訴できる」と話す。

  危険を避けるには「戻って来なければ、おまえの人生をめちゃくちゃにしてやるぞ」などと脅迫が始まる前に、警察や第三者に介入してもらうことが必要だという。

   ネット発端 10代注意

  近年、増えているのは10代の親からの相談だ。ネットで知り合っただけの中高生が、お互いに自分の分身としてアバターという虚飾のキャラクターでやりとりを繰り返し、実際に会うときに危険が増す。

  「長期休暇中に都会で初めて会い、千載一遇のチャンスとばかりにセックスしてしまう。ところが相手から連絡が急に途絶えて傷つき、ストーカー行為に火が付いてしまうのです」。親が気づいたときには深刻な事態に陥っている例が多いので注意が必要だという。

■ 重大なストーカー事件

  1999年10月 埼玉県桶川市で女子大生が刺殺された。ストーカー犯罪の捜査が問題となり翌2000年、ストーカー規制法が施行された。

  2011年12月 長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母が、加害者の男に殺害された。

  12年11月 神奈川県逗子市で女性が元交際相手の男に刺殺され、男は自殺した。翌13年にストーカー規制法が初めて改正され、執拗(しつよう)なメール送信が付きまとい行為に加えられた。

  13年10月 東京都三鷹市で女子高生が元交際相手の男に殺害された。警察庁は全国の警察にストーカー対策強化を指示した。

 
 “LINEなどSNSも対象に” ストーカー規制で報告書提出
2014.08.06 朝日放送 

ストーカー被害の防止策を議論する専門家会議は、LINEなどSNSでしつこくメッセージを送り付ける行為や、被害者宅周辺を歩き回る徘徊も新たに規制すべきとする報告書をまとめ、警察庁に提出した。桶川ストーカー殺人事件被害者の父親は「被害者の声が国に伝わる仕組みのなかに参加できたということは非常に有意義であったと思ってます」などと話した。

 
女性めぐるトラブルか
2014.07.31 日本テレビ 

 逮捕されたのは静岡・富士市の運転手41歳の男。警察によると男は昨夜11時40分頃、富士市のスーパーの駐車場で近くに住む会社役員65歳の男性の胸を包丁で刺し殺害した疑い。容疑者は約1時間後に交番に出頭し緊急逮捕された。事件当時役員の男性といた40代の女性は元交際相手だった容疑者からストーカー被害を受けていて、相談を受けた警察が口頭で警告していた。

 
  ゆがんだ愛情 ストーカー犯罪 交際トラブル 相談倍増 私的な関係、警察の対応難しく…
2014.07.23 朝刊 
  ストーカーやDV問題への関心の高まりとともに、交際をめぐる困り事の相談が警察に数多く寄せられている。今年一~三月に警視庁に寄せられたストーカー相談は、昨年同期比で約二倍になっている。当事者間で「丸く収まった」とされた案件が、ストーカー事件に発展するケースもある。私的な関係の相談にかかわる難しさとともに、細やかな対応の大切さが浮かぶ。(北川成史)

  警視庁1~3月期564件

  「解決」案件、事件に発展も

 「元彼氏に元彼女が脅されている」。四月、東京都多摩地区のマンションの一室で、少年(19)が少女(19)に包丁を突きつける事件があった。訪れた知人が見つけ一一〇番。警視庁の警察官は、暴力行為法違反(脅迫)の疑いで少年を現行犯逮捕した。少女は殴られ、顔にけがをしていた。

  捜査関係者によると、少女は少年と交際中の昨年末、警察署に「けんかすると、『許さない』などと怖いメールが来る」と相談していた。ただ、少女に交際を続ける意思があるため、署は月一回ほど少女に電話し、様子をみることにした。

  今年三月末、少女は署との電話で「相手と納得の上で別れた」と伝えた。署の担当者は「いつでも相談を。少年と二人で会わないように」と助言した。

  しかし、「また付き合って」という少年のメールを受け、少女はきちんと区切りをつけようと少年宅を訪れ、事件に遭った。

  逮捕後、警視庁は少年が同様の行為を繰り返さないように、ストーカー規制法に基づく文書警告を与えた。少年は「引き留めたかった」と話したという。

  都内では四月に北区で、女性(29)が元交際相手の男(28)に、包丁で刺され、手にけがを負う殺人未遂事件が起きている。

  女性は三月、「どうしたら別れられるか」と警察署に相談していた。暴力や付きまといがなかったため、署はストーカーという扱いはせず、弁護士に相談するように助言し、保護対象とはしなかった。

  三鷹市で昨年十月、女子高生がストーカー相談当日に刺殺された事件を受け、警視庁は昨年十二月、署に寄せられたストーカー相談を集約し、危険性が高い場合は捜査員を派遣する「ストーカー・DV総合対策本部」を新設した。今年一~三月、ストーカー相談は前年同期の二倍の五百六十四件、ストーカー事件で摘発した人数は五倍の七十八人に上った。

  ただ、恋愛は本人同士の自由意思に基づく。対策本部の担当者によると、相談者に交際継続の意思があったり、ストーカー被害とまでいえなかったりする場合、多摩地区の事例のように、相談段階で対策本部に報告されないケースもある。

  神奈川県横須賀市で六月二十八日、元交際相手の男に女性が刺殺された事件では、警察は四~五月に数回、近況確認し、被害者も「異常はない」と答えたが、最悪の事態に発展した。

  交際をめぐる相談について、担当者は「状況が時間とともに動き、対応は難しい」とした上で、「相談内容を一つ一つ、丁寧に見ながら、被害者の安全を図りたい」と話している。

  別れたら2人きりはダメ

 ストーカー被害者の支援や加害者の更生に取り組むNPO法人「ヒューマニティ」(東京)の小早川明子理事長の話 言葉や身体的な暴力がひどい場合、早く警察に相談し、告訴すべきだ。ただ、相談は何でも警察と思わない方がいい。「どう別れたらいいか」とか「別れた後の暮らしは」といった生活に密着した相談は、女性相談センターや法テラスの方が適している。関係機関はもっと連携し、役割分担するべきだ。

  被害者は別れた後、相手と二人きりで会わないのは鉄則。特に、警察が関与した後は、相手が不快に思う恐れがあり、より警戒しなくてはならない。警察も被害者をしっかり見守ってほしい。
 
 殺人未遂容疑で逮捕 同居人の元交際女性 松江刺傷 /島根県
2014.07.16 大阪地方版/島根 

  松江市のアパートで10日夕、女性が室内に侵入していた女に刺されてけがをした事件で、松江署は15日、大阪府吹田市江の木町、無職A容疑者(37)を殺人未遂の疑いで逮捕し、発表した。「包丁で切りつけた」と話しているという。

  署によると、A容疑者は10日午後5時45分ごろ、松江市西川津町、飲食店従業員の女性(40)の自宅で、女性の左胸を刃物で2回刺した疑いがある。

  女性は、長女(9)と40代男性との3人暮らし。A容疑者は男性の元交際相手で、女性とは面識がないという。

  男性の話からA容疑者が浮上し、15日午前、吹田市の自宅で任意同行を求めたところ、切りつけたことを認めた。

  署は、ストーカー被害の相談などは把握しておらず、今後、刺した動機や使用した刃物、室内に侵入した経路などについて、取り調べる方針だ。

 
 ストーカーで追起訴=広島
2014.07.09 大阪朝刊 3

 広島市安佐南区の女性宅に侵入し、ストーカー対策などが書かれた文書を盗んだとして、住居侵入と窃盗の両容疑で逮捕された広島市東区戸坂くるめ木、無職A被告(41)(起訴)について、地検は8日、ストーカー規制法違反と脅迫罪で追起訴した。起訴状などでは、A被告は4~5月、この女性に「なぜ電話に出ない。無視するな」とメールしたり、女性の勤務先で待ち伏せし、「出てこい」などと大声で叫んだりするストーカー行為をしたほか、携帯電話で「ふざけすぎだろしまいにゃ殺すよ」とメールを送り、女性を脅したとされる。

  女性はストーカー被害を県警に相談。A被告は5月、女性宅に侵入し、女性が県警から渡されたストーカー対策文書1枚を盗んだ疑いで逮捕、起訴されたが、調べに黙秘を続けていた。

 
 悪質ストーカー “4人に1人”警察の警告後も行為繰り返す 科警研調査
2014.07.06 NHKニュース 

  警察が介入した後も凶悪事件に発展するストーカー被害が相次ぐ中、警察庁の科学警察研究所(ジョ)が、200件あまりのストーカー被害の相談記録を分析した結果、脅迫などの悪質な行為を行っていた加害者の4人に1人が、警察から警告を受けた後も、つきまといなどを繰り返していたことが分かりました。

  警察庁の科学警察研究所は、警察に蓄積されたストーカー被害の膨大な相談記録、いわばストーカー被害のビッグデータを分析することで事件を未然に防ごうと、今回初めて、千葉県警の協力を得て、おととしの3か月間に受理した被害の相談217件について、加害者の行動を分析しました。

  その結果、ストーカーのタイプは、危険度の低い順に、▽メールや電話で嫌がらせをする「慢性型」が86人▽つきまといや脅迫に発展する「エスカレート型」が62人▽脅迫など悪質な行為ばかりを繰り返す危険度が最も高い「急迫型」が69人に分類されることが分かりました。

  これを被害者と加害者の交際の有無で見ると、▽交際がないケースでは「慢性型」が51%を占めるのに対し▽交際していたケースでは「急迫型」が37%と最も多く、別れ話がきっかけのストーカー行為が危険な傾向が強いことが分かりました。

  さらに、ストーカー行為をやめるよう警察が直接会って警告した後の行動を分析した結果、悪質な行為ばかり繰り返す「急迫型」の加害者は、4人に1人が、警告の後も、つきまといや待ち伏せ、被害者の自宅に押しかけるといった行為を繰り返していたことが分かりました。

  特に、「急迫型」のうち、被害者と交際関係にあったケースでは、加害者の3人に1人が、警告の後もつきまといに及ぶなど、割合が高くなっていました。

  ストーカー被害の相談は、去年、2万件を超えて過去最多となり、ことし5月には大阪で38歳の女性が殺害され、警察から警告を受けていた知り合いの男が逮捕されるなど、警察が介入した後に凶悪事件に発展するケースが相次いでいます。

  警察庁は、凶悪化する兆候があれば最悪の事態を防ぐため対応を強化するよう、全国の警察に指示しています。

 
 元交際相手「首締絞め殺した」
2014.06.23 テレビ朝日 

 飲食店従業員の男が東京・日野市の河川敷の側溝に元交際相手の女性の遺体を遺棄した疑いで逮捕された。容疑者は「首をしめて殺した」と供述している。被害者は事件直前、容疑者からのストーカー被害を職場で訴えていた。

 
85歳男、80歳女性にストーカー 容疑で再逮捕 「もう一度会いたかった」
2014.06.11 大阪朝刊 

  病院で知り合った女性(80)に何度も電話をかけたうえ自宅敷地内に侵入したとして、奈良県警吉野署などは10日、ストーカー規制法違反と住居侵入容疑で、和歌山県橋本市隅田町芋生、無職、A容疑者(85)を再逮捕した。「もう一度会いたかった。逮捕された恨みもあった」と容疑を認めている。

  逮捕容疑は、昨年11月6~23日、奈良県内の女性方に約10回電話をかけ、「待っているから出てこいよ」などと要求。県警からストーカー規制法に基づく警告を受けていたにもかかわらず今年5月2日午前11時半ごろ、女性方の敷地内に侵入したとしている。

  A容疑者は約4年前、同県内の病院に入院中の妻と相部屋だった女性と知り合った。女性は昨年10月にストーカー被害を訴え、県警がA容疑者に警告。その後、電話で「殺すぞ」と脅したなどとして、今年1月に脅迫容疑で逮捕され、罰金刑を受けていた。
 
 大阪スナック女性殺害ストーカー男 別の女性も殺害計画
2014.05.06 日刊スポーツ 

  大阪市平野区の路上で2日未明、スナック従業員Aさん(38)が刺殺された事件で、殺人の疑いで逮捕された客の無職B容疑者(57)が事件当日にAさんとは別の知人の女性殺害も計画していたことが5日、分かった。捜査関係者によると、「事件当日に別の女性も殺すつもりだった」と供述している。

  大阪府警捜査1課はこの供述などに基づき、殺害を計画し凶器などを準備した際に適用される殺人予備容疑での立件も視野に捜査。事件当日の足取りを調べ、裏付けを進めている。

  また、B容疑者が「事件の数日前、スナック付近に何度か行き、(Aさんの)自転車があるのを見た」と話していることも判明。Aさんはストーカー被害に悩み、1度店を辞めていたが、事件直前に復帰していた。B容疑者は仕事帰りを待ち伏せしていたとも説明しており、出勤状況を確認するなど店付近で動向を調べていたとみられる。捜査1課は5日までにB容疑者の自宅やレンタカーを捜索。経緯を調べている。

 
 別の女性殺害も計画か 大阪ストーカー刺殺 容疑の男供述
2014.05.06 朝刊 

  大阪市平野区の路上で2日未明、スナック従業員Aさん(38)が刺殺された事件で、殺人の疑いで逮捕された客の無職B容疑者(57)が事件当日にAさんとは別の知人の女性殺害も計画していたと供述していることが5日、捜査関係者への取材で分かった。

  大阪府警捜査1課はこの供述などに基づき、殺害を計画し凶器などを準備した際に適用される殺人予備容疑での立件も視野に捜査。事件当日の足取りを調べ、裏付けを進めている。

  捜査関係者によると、「事件当日に別の女性も殺すつもりだった」と供述している。

  また、B容疑者が「事件の数日前、スナック付近に何度か行き、(Aさんの)自転車があるのを見た」と話していることも新たに判明。

  Aさんはストーカー被害に悩み、一度店を辞めていたが、事件直前に復帰していた。B容疑者は仕事帰りを待ち伏せしていたとも説明しており、出勤状況を確認するなど店付近で動向を調べていたとみられる。

 
 大阪・ストーカー殺人 容疑者、元妻にDVで接近禁止
2014.05.05 朝刊 

  ストーカー被害を警察に相談していたスナック従業員Aさん(38)が大阪市平野区で刺殺された事件で、殺人の疑いで逮捕されたB容疑者(57)が、ドメスティックバイオレンス(DV)防止法に基づき、元妻への接近や連絡を禁じる命令を受けていたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。

  大阪府警松原署はAさんの相談を受け、申告内容を踏まえ危険性を判定。ストーカー規制法に基づきB容疑者に警告した。元妻とのトラブルを把握していた可能性があるが、事件を防ぐことはできなかった。

  捜査関係者によると、B容疑者は昨年、元妻にけがを負わせた疑いで府警平野署に逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。その後、元妻への接近や連絡を禁止する保護命令を受けた。

  DV防止法では、被害者の申し立てにより、配偶者らの暴力から守るため、裁判所が接近や連絡を禁止する保護命令を加害者に出すことができる。
 
 ストーカー悩み店退職 容疑者、復帰直後狙い襲撃か-大阪女性刺殺(A版)
2014.05.04 朝刊 

  大阪市平野区の路上でスナック従業員Aさん(38)が刺殺された事件で、Aさんが2月下旬~3月ごろ「客のストーカーがすごくて、店を辞めたくないけど辞める」と周囲に話していたことが3日、知人への取材で分かった。

  知人の男性(39)によると、Aさんは別の飲食店で働き始めたが、4月下旬ごろ元の店に復帰し、直後に襲われた。大阪府警は、殺人容疑で逮捕した客の無職B容疑者(57)が、店からの帰宅途中を待ち伏せして狙った疑いがある計画的な事件とみている。

  府警によると、Aさんは、B容疑者から「殺される前に警察に電話してや」などと執拗(しつよう)にメールがあり、3月2日にストーカー被害を府警に相談。府警は口頭注意したが、「たばこを始めた。(Aさんと)同じたばこやで」「このメールを警察に見せて(自分を)逮捕してもらえ」とメールがやまなかったため、同12日に文書で警告した。

  一方、大阪府警は3日、司法解剖の結果、Aさんの死因は腹部を包丁で刺されたことによる腹腔(ふくくう)内出血だったと明らかにした。遺体には首と腹部のほか、頭部などにも大きな切り傷があったことも判明。府警はB容疑者を3日に送検し、強い殺意を持っていたとみて調べている。

  捜査関係者によると、Aさんは腹に包丁のような刃物が刺さった状態で見つかった。

                ◇……………………◇

 ■「子煩悩な母」知人ら悲痛

  「子どもをかわいがる、いいお母さん」「気さくでフレンドリー」。大阪市平野区で刺殺されたAさん(38)は明るい性格で親しまれていた。逮捕されたB容疑者(57)は周囲にAさんへの気持ちを漏らしており、一方的に思いを募らせた様子が浮かぶ。

  親族によると、Aさんは2年ほど前に再婚し、2人の子どもがいた。知人は「小さい子どもがいてかわいいと言っていた」。勤めていた店の関係者は「ご家族に申し訳ない。一番悔しいのは、守ってあげられなかったことだ」とうなだれた。

  B容疑者は2年ほど前から現場近くの市営住宅に1人で暮らしていた。近くに住む人によると脳梗塞で倒れ、入院したことがあったという。

  B容疑者はAさんとみられる女性と現場近くの居酒屋をたびたび訪れていた。60代の女性経営者は、いつもは物静かなB容疑者がこの時ばかりは笑い、楽しそうにしていた姿を覚えている。3月初め、Aさんは警察を訪ねた。「一方的に好意を寄せられている。4~5回食事に行ったが客と従業員の関係だ」。その後しばらくたって、B容疑者はこの居酒屋に顔を出し「ストーカーとして届けられた」と打ち明けた。その晩、再び現れると「近づいてはいけない。電話もしてはいけないと言われた」と落ち込んでいたという。事件が起きたのはこの1カ月半後だった。
 
 大阪・路上殺害 女性 ストーカー被害で一時飲食店休職 復帰直後に被害
2014.05.03 NHKニュース 

  きのう、大阪・平野区で、飲食店の従業員の女性が殺害された事件で、女性は、店の客だった容疑者の男のストーカー行為に身の危険を感じていったん店を辞め、およそ2か月ぶりに復帰した直後に殺害されたとみられることが、関係者への取材でわかりました。

  きのう、大阪・平野区の路上で、大阪・松原市(マツバラシ)に住む飲食店の従業員、Aさん(38)が、刃物で刺されて殺害され、警察は、店の客で大阪・平野区の無職、B容疑者(57)を殺人の疑いで逮捕し、きょう、身柄を検察庁に送りました。

  警察のこれまでの調べで、B容疑者は、Aさんに一方的に好意を寄せ、メールを頻繁に送るなどのストーカー行為をエスカレートさせたことが分かっていますが、Aさんが、ことし3月、知人らに「客につきまとわれて困っているので店を辞める」と話していたことが、関係者への取材でわかりました。

  関係者によりますと、身の危険を感じたAさんは、その後、大阪市内の別の飲食店で働いていましたが、B容疑者のストーカー行為がいったん収まったため、最近になって、およそ2か月ぶりに元の店で働くようになり、その直後に殺害されたとみられるということです。

  警察は、B容疑者が、元の店に戻ったAさんの行動を把握したうえで、帰宅途中に待ち伏せし、襲ったとみて、詳しいいきさつを調べています。

 
 ストーカー警告の男逮捕 大阪、女性刺殺容疑
2014.05.03 朝刊 

  大阪市平野区の路上で、スナック従業員Aさん(38)=大阪府松原市=が刺され死亡した事件で、大阪府警捜査1課は2日、殺人の疑いで、スナックの客だった無職B容疑者(57)=平野区長吉長原西=を逮捕した。

  捜査1課によると、容疑を認め、「(Aさんを)好きだった。もう会うことはできない。殺して自分も死んだら、あの世で一緒に暮らせると思った」と話している。

  Aさんは3月、B容疑者によるストーカー被害を松原署に相談し、同署が文書で警告。4月に電話で現状確認をした際、Aさんは「(B容疑者から)もう何も連絡はない」と話していた。府警生活安全総務課は「取り得る措置は取っていたところだが残念だ」とのコメントを発表した。

  逮捕容疑は2日午前2時20分ごろ、自転車で帰宅途中のAさんの首や腹を包丁のような刃物で刺すなどし、殺害した疑い。捜査1課はB容疑者がレンタカーを借りて待ち伏せし、Aさんを追いかけたとみて捜査している。

  約4時間後、現場から立ち去った車とよく似た車を、警察官が約1キロ離れたコンビニの駐車場で発見し、中にいたB容疑者を確保した。捜査1課は事件後の足取りを調べる。

 
 ストーカー相談後の事件、後絶たず 大阪女性刺殺
2014.05.03 朝刊

ストーカー被害 相談後の事件 後絶たず

大阪女性刺殺

  大阪市平野区の路上で2日、刃物で刺され死亡した女性は、大阪府警にストーカーの被害を相談していた。全国の警察が昨年1年間に把握したのは2万件超。警察に相談していながら、凶悪事件となってしまったケースは後を絶たず、そのたびに対応の不備が指摘されていた。

  東京都三鷹市で昨年10月、私立高3年の女子生徒=当時(18)=が刺殺され、元交際相手の男(21)が逮捕、起訴された。女子高生は事件当日の午前中に両親と警視庁三鷹署を訪れ、ストーカー被害を相談。事件後、警察庁は全国の警察に対策強化を指示した。

  府警は今年1月、初期段階から迅速に対応するため、「ストーカー・DV対策室」を立ち上げたばかりだった。

  2011年には長崎県西海市で、繰り返しストーカー行為や暴力を受けていた女性の母と祖母が殺害される事件が発生。被害の相談を受けていた千葉、三重、長崎の3県警の連携不足が浮き彫りとなった。

 
 38歳スナック従業員女性を刺殺、ストーカー警告の57歳男を逮捕/大阪市
2014.05.03 スポーツ報知 

  2日午前2時20分ごろ、大阪市平野区長吉長原西3丁目の路上で、大阪府松原市のスナック従業員・Aさん(38)が腹を刺され、間もなく死亡が確認された。大阪府警は、約4時間後に近くで発見された、スナックの客の無職・B容疑者(57)=平野区=を殺人の疑いで逮捕した。Aさんは、ストーカー被害の相談を府警にしており、松原署が3月にストーカー規制法に基づき、B容疑者に警告していた。

◆大阪市路上深夜の凶行

  府警によると2日午前2時半ごろ、「女性が植え込みに倒れている。男女がけんかしていたようだ」と110番通報があり、Aさんが腹に包丁のような刃物が刺さった状態で見つかった。すでに意識はなく、刃物は柄の部分しか見えないほど深く刺さっていたという。また、腹部に複数の刺し傷があったほか、首にも切り傷があった。

  現場はJR関西線・加美駅の南約3キロの住宅街。近くのマンションに住む女性(46)によると、Aさんは出血した状態で植え込みに倒れており、男が何かでたたいているように見えたという。女性の叫び声や、「好きやから」と男が叫ぶ声を聞いた付近の住民もいた。

  府警は事件の約4時間後、近くのコンビニの駐車場で、B容疑者を確保した。B容疑者は容疑を認め「好きだった。もう会うことはできない。殺して自分も死んだら、あの世で一緒に暮らせると思った」と話している。

  府警によると、Aさんは昨年8月、勤務していたスナックに客として訪れたB容疑者と知り合いになった。その後、2人の間に何らかのトラブルが発生し、今年の2月末には店側が「もう来てほしくない」と男に伝えていたが、つきまとい行為は続いた。

  Aさんは3月2日、「アルバイトをしているスナックの客から一方的に好意を寄せられ、しつこく電話やメールが来る」とストーカー被害を松原署に相談。前日から当日にかけて、容疑者から33通のメールが送られたといい、「殺される前に警察に電話してや。頭を冷やす時間を最後にくれや」と、殺意をほのめかす内容も含まれていた。

  同署は、危険度を3段階のうち2番目と判定。容疑者に電話で注意したが、以降もメールが続いたため、同12日に呼び出し、ストーカー規制法に基づき警告した。その時、容疑者は「もう関わる気はない」と話したという。

  4月2日、Aさんは「もう何も連絡はない。ありがとうございました」と、松原署の担当者に伝えた。署はストーカー行為の危険度は下がり、3番目になったと判断。1か月おきに井村さんの現状を確認することにしていたが、その連絡予定日だった今月2日未明に事件は起きた。松原署は「対応に問題はなかった」としている。
 
 ストーカー被害2万件超 2013年 2年連続、過去最多 県内は17件増、過去最多の220件
2014.03.20 夕刊 

  昨年1年間に全国の警察が把握したストーカー被害は2万1089件(前年比5・9%増)で、2年連続で過去最多となったことが20日、警察庁のまとめで分かった。初めて2万件を超えた。

          ▽       ▽

 昨年7月施行の改正ストーカー規制法で、摘発や警告の対象となるつきまとい行為に加えられたメールの連続送信は、摘発43件、警告143件、禁止命令8件だった。

  東京都三鷹市で昨年10月、女子高生が警視庁にストーカー被害を相談した日に殺害された事件を受け、全国の警察は凶悪事件に発展する危険性が高いとみられるケースでは、警告を経ずに加害者を逮捕することも辞さないとする姿勢を強めている。この結果、11~12月の逮捕件数は、前年同期から20・6%増えた。

  警察庁の担当者は「警察が以前より積極的に対応するようになり、被害者からの相談も増えている」と分析。各都道府県警は、刑事、生活安全両部門が連携して対応する組織づくりを進めており、担当者は「今後も凶悪事件の防止に力を入れる」と話している。

  被害者の性別は女性が90・3%の1万9053人だった。年代別では、20代が最も多く34・8%、30代27・5%、40代18・2%、10代9・4%と続いた。加害者との関係は、配偶者と交際相手で約6割を占めた。

  摘発は1889件(6・5%増)。罪名別では、ストーカー規制法違反や脅迫、住居侵入などが多かったが、殺人が15件(うち13件が未遂)と、前年の5倍に増えた。

  規制法に基づく警告は2452件(7・4%増)、禁止命令は103件(49・3%増)で、いずれも過去最多だった。

  一方、ドメスティックバイオレンス(DV)の認知件数は4万9533件(12・7%増)で、10年連続で過去最多を更新。摘発は4405件(4・7%増)で、被害者は93・4%が女性だった。

  熊本県警が昨年把握したストーカー被害は前年比17件増の220件で過去最多だった。ストーカー規制法違反や暴行、傷害などでの摘発は前年より7件少ない18件。同法に基づく警告は11件、禁止命令は1件だった。DVの認知件数は前年比31件減の390件だった。

 
 <社会面のことば>ストーカー・DV対策
2014.03.19 北海道新聞朝刊全道 

  道警は4月、ストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)に対応する専門チーム「人身安全対策室」を新設する。東京・三鷹で昨秋、女子高生が刺殺された事件で、地元署が事前にストーカー被害の相談を受けながら惨事を防げなかった反省から、警察庁の指示に基づき全国の警察で専門部署の設置が相次いでいる。各警察は被害者保護を最優先に、危険性が高い場合は積極的に加害者を逮捕、凶悪事件への発展を未然に防ぐ考えだ。

 
 「供述強要された、現場行ってない」 西海ストーカー殺人控訴審で被告 /長崎県
2014.03.04 西部地方版/長崎 

  西海市で2011年、ストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母が殺害された事件。殺人などの罪で長崎地裁で死刑判決を受けたA被告(29)は3日、福岡高裁で始まった控訴審で証言台に座り、一審同様に無罪の主張を繰り返した。

  黒のダウンジャケットを着たA被告は、捜査段階で犯行を認めたことについて「刑事から『死刑にしないと首が飛ぶ』と言われた」などと述べ、供述を強要されたと話した。

  任意同行の時に所持していたとされる出刃包丁も「持っていない」と主張。着衣の血痕も「付いていなかった」とし、犯行現場にあった足跡も「僕のじゃない」と訴えた。

  事件当日の行動について、佐世保駅や鳥栖駅(佐賀県)に向かったなどと詳しく述べ、犯行現場には行っていないと説明した。アリバイについて捜査段階では「刑事に怒られて言えなくなった」と話した。

  一方、検察は、被告・弁護側の主張はいずれも当を得ておらず、「控訴にも理由はない」と答弁書で指摘。控訴棄却を求めた。次回4月8日は検察側の被告人質問が行われる。

 
 遺体は元交際相手と判明 押収の拳銃使用か 館林・女性射殺
2014.02.22 東京朝刊 

  群馬県館林市の駐車場で女性が射殺された事件で、群馬県警は21日、栃木県鹿沼市の路上に止めた軽乗用車から見つかった遺体は女性の元交際相手で職業不詳の男(39)=栃木県栃木市=と判明したと発表した。女性に対する殺人容疑で20日にこの男の逮捕状を取っていたことも明らかにした。

  県警は拳銃とみられる1丁を車中から押収。捜査関係者によると、回転式拳銃だった。女性の殺害現場では薬莢(やっきょう)が見つかっておらず、県警は射殺事件にこの回転式拳銃が使われた可能性があるとみて鑑定を進める。男の名前は、容疑者の死亡によって任意捜査になったとして、発表していない。

  殺害された鈴木千尋さん(26)=群馬県大泉町=は19日午後2時50分ごろ、ディスカウント店の駐車場で、買い物を終えて軽乗用車に乗った直後、助手席側から拳銃で1発頭を撃たれたとみられる。昨年11月に男からストーカー被害を受け、栃木県警が男に警告。鈴木さんは栃木県佐野市から転居していた。

  ■広まる拳銃、元組員「堅気から時折注文」

  元交際相手の男は事件の直前まで、物流会社でトラック運転手として勤務する傍ら、運転代行のアルバイトもしていた。勤務先の社長は昨年秋ごろ、男から「最近、子どもがいる女性と同居をしている。結婚も考えている」と聞いたという。

  男を古くから知るアルバイト先の上司も事件に驚いた。「まじめに働いており、拳銃を持っていたなんて想像もつかない」。中学卒業後に荒れた時期もあったが、20代で結婚と離婚を経験し、落ち着きが出始めたように見えていた。犯罪組織とは無縁とみられていた男が、拳銃をどうやって手に入れたのか――。

  警察庁によると、拳銃の押収自体が減るなかで、目立ってきているのが「暴力団以外(不明含む)」からの押収だ。昨年1~11月に押収した443丁のうち、暴力団から押収したのは63丁。380丁が「暴力団以外」からだった=表。こうした傾向は2000年代初めから続いており、捜査幹部は「拳銃事件の罰則強化で拳銃を巧妙に隠すようになった暴力団が、資金稼ぎの一環で一般社会に流している」とみる。

  拳銃の調達にかかわったことのある元組員は取材に対して、「マニアをはじめ、何に使うかわからない堅気からも『買いたい』との注文が時折ある」と明かした。米国製の38口径なら60万円、ロシア製なら40万円、実弾は1発1万円が相場という。「海外の犯罪組織に手配し、カニ密漁の漁船や鉄くずを満載した船の積み荷に紛れ込ませて国内に持ち込めばバレない」

  群馬県警は男の車から押収した1丁を鑑定し、入手経路なども調べるという。

 
 館林の事件 殺害女性 ストーカー相談 県警の勧め 佐野から転居=栃木
2014.02.21 東京朝刊 

  群馬県館林市の殺人事件で、殺害された鈴木千尋さん(26)(群馬県大泉町)が、元交際相手からストーカー被害を受け、実家の佐野市を離れて群馬県に転居していたことが分かった。栃木県警は昨年11月、元交際相手を暴行容疑で逮捕し、鈴木さんに身を隠すことを勧めた。県警にはその後も、「復縁を迫られている」などと鈴木さんからの相談が続いていた。

  県警によると、元交際相手は昨年11月1日、佐野市内のコンビニの駐車場で鈴木さんの車に乗り込み、手首をつかむなどの暴行を加えたとして、翌2日に逮捕された。佐野署の調べで、「会いたい」とメールをするなどのストーカー行為を繰り返していたことが分かり、罰金の略式命令で釈放されたのに合わせ、11月22日、ストーカー規制法に基づいて文書で警告した。

  鈴木さんは当時、佐野市の実家で娘と暮らしていた。佐野署は群馬県内の知人宅に避難させ、12月3日には、鈴木さんは現在の住居に転居した。しかし、その後も復縁を迫るメールや電話が続き、相談を受けた佐野署は、代理人を立てることや、2人だけで会わないことを助言した。相談の電話は数十回にも及び、12月22日には、鈴木さんの父親を交えて2人が話し合い、署員は安全が確保できるかを直前に確認した。

  今年1月初旬頃からは、引き継いだ群馬県警が主に対応し、鈴木さんからの相談は続いた。群馬県警は、これらのストーカー被害と殺人事件の関連を調べており、行方の分からない元交際相手を探している。

  鈴木さんや実家の家族らを知る男性は、「ごく普通の家族。ストーカーと聞いてびっくりした」と話した。

  鈴木さんは佐野署の指導で、転居先の大泉町で、第三者に対して住民票の閲覧制限をかける手続きを取っていた。県警生活安全企画課は、「県警として可能な対応はした」としている。

 
 群馬女性殺害 知人らショック おしゃれで明るかった まな娘の話で満面笑み
2014.02.21 東京朝刊 

  鈴木千尋さんはストーカー被害から逃れるため、約3カ月前に群馬県大泉町に引っ越し、新生活を始めて間もなく無残な姿で発見された。おしゃれで明るく、3歳のまな娘をかわいがっていたのに…。知人らは突然の悲報に言葉を失った。

  40代の知人男性は事件当日の19日未明、殺害現場と同じ同県館林市内の飲食店で、鈴木さんと顔を合わせたが、「特に変わったところはなかった」。おしゃれで落ち着いた雰囲気だった鈴木さんは娘の話になると、いつも満面の笑みを浮かべていたという。「子供と外食するのが生きがいだった。実家に男が嫌がらせに来て困るという話は聞いていた。それから逃れるための引っ越しだったはずなのに…」。言葉を詰まらせる。

  鈴木さんが昨年11月まで暮らしていた栃木県佐野市の実家近くの男性(62)は昨年夏ごろ、鈴木さんが朝方にベビーカーに娘を乗せ、同年代の子連れの女性と楽しそうに散歩する姿を見かけた。男性は「残された小さな子を思うとやりきれない」と嘆いた。

 
 ◎「復縁断られ刺した」=逮捕の元交際男供述-警視庁
2014.02.13 時事通信 

  東京都足立区の路上で女性が刺され重傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された元交際相手の男が「復縁を求めたが『無理』と言われ、気付いたら包丁で刺していた」などと供述していることが13日、警視庁への取材で分かった。男は女性にストーカー行為をしており、同庁西新井署などは復縁を断られて激高したとみて、経緯を調べている。

  逮捕されたのは、足立区栗原の職業不詳A容疑者(49)。逮捕容疑は12日午後11時15分ごろ、足立区の路上で以前交際していた女性(52)の腹を包丁で刺し、殺害しようとした疑い。

  警視庁によると、A容疑者は事件後、元勤務先の運送会社からトラックを盗んで逃走したとみられ、栃木県内の親族宅にいるところを見つかり、身柄が確保された。 

  A容疑者は調べに対し、都内のパチンコ店で女性を見つけ、店から女性宅近くまで付きまとって何度も復縁を迫ったが断られたと説明。「包丁は脅かすために持ち出した」などと話したという。

  女性は昨年7月以降何度もA容疑者からのストーカー被害を西新井署に相談。同12月には待ち伏せしていた同容疑者が刃物で「殺すぞ」と脅す事件も起き、同署は警告した上、女性に近づかないという誓約書を取っていた。今年1月末の安否確認で、女性は「接触はやんだ」と話していたという。

 
無職男に懲役20年求刑 ストーカー殺人未遂
2014.02.12 

  岡山県倉敷市で昨年5月、ストーカー被害を岡山県警に相談していた女性が自宅で刺され重傷を負った事件で、殺人未遂などの罪に問われた無職M被告(25)の裁判員裁判の公判が12日、岡山地裁(中田幹人(なかた・まさと)裁判長)で開かれ、検察側は懲役20年を求刑した。
 判決は17日。

  検察側は論告で「事前にナイフを購入し自宅で隠れて待つなど確実に殺害の目的を達成しようとしている。悪質だ」と指摘した。

  弁護側は「ナイフは脅すためのもので、殺意はなかった。傷害罪にとどまり、懲役3年が相当だ」と訴えた。

  起訴状などによると、M被告は昨年5月16日夜、倉敷市の女性宅に侵入し約3時間待ち伏せ。帰宅した女性の部屋の電気が消えた後、室内に忍び込みナイフで胸を刺すなどし、重傷を負わせたとしている。
  女性は事件前に県警にM被告からのストーカー被害を相談。当日は警察官が家まで送り、自宅周囲を警戒していた。

 
ストーカー:13年被害相談件数、前年比109件増428件 DVも278件増の1427件 いずれも過去最多 /茨城
2014.02.12 地方版/茨城

  ◇年々増加傾向、重大事件に発展する怖さも

 県内の2013年ストーカー被害相談件数が前年比109件増の428件だったことが、県警のまとめで分かった。ドメスティックバイオレンス(DV)の被害相談は同278件増の1427件。ストーカー規制法(00年)とDV防止法(01年)制定以降、いずれの相談件数も過去最多を記録した。年々増加傾向にあり、県警幹部は「ストーカー・DV被害は単純に数値化できない上、いつ重大事件に発展するか分からない怖さもある」と指摘している。

  県警生活安全総務課によると、ストーカー被害の相談件数のうち、女性の相談者は全体の92・1%にあたる394人。20~30代の女性が全体の6割弱を占めている。加害者は交際相手が最も多い219人。続いて職場関係81人▽友人・知人53人▽婚姻・内縁51人などが多かった。ストーカー規制法に基づく指導・警告は前年比33件増の221件だった。

  DVの被害相談者は全体の95・0%が女性で、30~40代が約6割を占めている。DV防止法による指導・警告は同150件増の393件で、5年前(09年=85件)から5倍近くも増えている。

  ストーカー・DV被害者が110番通報した際、警察が迅速に対応できる「110番緊急通報登録システム」は13年、新たに1048人が加わり、1月末現在で計2243人が登録。内訳はストーカー被害804人、DV被害1439人だった。また、市町村で住民基本台帳の閲覧を制限する支援も新たに308人が申請しており、いずれも増加傾向にあるという。

 
ストーカー:摘発最多50件 法改正で対象、メールも適用 「積極的に運用」--県警昨年 /兵庫
2014.02.08 地方版/兵庫 

  県警が昨年、ストーカー規制法違反で摘発した事件が50件にのぼり、過去最多となった。同法は昨年の改正で、メールをしつこく送りつける行為も規制の対象となり、行為を中止させるための命令や警告も柔軟に対応できるようになった。県警は「被害者の安全を最優先に考え、重大事件に発展する前に対応する」と改正法の積極運用を続ける方針。【宮嶋梓帆】

  県警によると、県内のストーカー被害の相談件数は昨年1年間で前年比122件増の1285件となり、統計を取り始めた2000年以降の過去最多を4年連続で更新した。女性1140人、男性145人で、女性が約9割を占めた。相談内容(重複を含む)は「面会や復縁の要求」が773件で最も多く、「つきまといや待ちぶせ行為」も671件に上った。

  相談の増加に伴って、県警も対応を強化している。昨年1年間に同法違反容疑で50件を摘発したほか、脅迫や傷害容疑でも82件を事件化。文書や口頭での警告は59件となった。

  改正法では、しつこいメール送信も規制対象となった。長田署が昨年12月に逮捕した男(32)は、元交際相手の女性に再会を要求するメールを、深夜から翌日昼過ぎまでの間に計33回送ったとされる。

  女性は男からの暴力被害を県警に相談し、警察官立ち会いで交際を断ち切っていた。男はこの直後にメールを送っており、長田署は逮捕に踏み切った。県警はこの件を含む4件で新たな規定を適用した。

  改正法はこのほか、加害者の住所地やストーカー行為の現場を管轄する警察でも警告や禁止命令を出せるようになった。県警は、加害者の住所地の警察署長名で既に2件の警告を出した。これまで被害者が住む地域の警察にしか禁止命令や警告が出せず、逆に居場所を知られる心配から、申し出をためらう被害者もいたという。捜査幹部は「店での接客をきっかけに、つきまといに発展するケースも多く、積極的に運用していきたい」としている。

 
ストーカー被害装う 業務妨害容疑、少女逮捕
2014.01.29 共同通信

  ストーカー被害を受けていると虚偽の申告をして警察の業務を妨害したとして、京都府警綾部署は29日、業務妨害の疑いで京都府綾部市、接客業アルバイトの少女(19)を逮捕した。
  綾部署によると、少女は「今何してるの」「死ね」などとストーカーの存在をうかがわせるメールを自分のタブレット端末から携帯電話に送信。被害を自作自演していた。少女が申告した昨年12月12日から約1カ月にわたって、延べ約100人の捜査員が少女の自宅周辺の警備などに当たったという。
  逮捕容疑は、昨年12月中旬~1月下旬、警察の日常業務を妨害した疑い。「家族に構ってほしかった」と容疑を認めている。

 
逗子ストーカー被害者住所、探偵「夫を装い取得」 不正入手容疑で再逮捕 【名古屋】
2014.01.25 名古屋朝刊

  神奈川県で2012年秋に起きた「逗子ストーカー殺人事件」にからみ、逗子市役所に電話して被害女性の住所を不正に調べたとして、愛知県警は24日、東京都目黒区の探偵業「T」代表のO容疑者(60)=別の個人情報入手事件で起訴=を偽計業務妨害の疑いで再逮捕し発表した。大筋で容疑を認め、「被害者の夫を装って住所を聞き出した」と供述しているという。▼3面=閲覧制限 情報共有に不備

  県警によると、O容疑者は12年11月5日、事件被害者のMさん(当時33)の元交際相手側から依頼を受け、住所を調査。市納税課に電話して「家内あてに税金の請求書が来たのだが、住所を間違えていないか」などと問い合わせを装って住所を聞き出し、職員の業務を数分間妨害した疑いがある。住所はその日のうちに元交際相手の男に伝えられ、男は翌日、Mさんを殺害した後、自殺した。

  O容疑者が電話した際、応対した市職員はMさんの情報をパソコンで確認した。ストーカー被害を受けていたMさんの情報は閲覧制限がかかっており、パソコンには赤字の警告が出たが、職員は会話の中で住所を伝えてしまった。職員は「覚えていない」と話しているという。

  O容疑者は京葉ガス(千葉県)に電話をかけ、同県内の契約者の氏名を聞き出した不正競争防止法違反(営業秘密侵害)や、別の契約者の銀行口座情報を聞き出そうとした偽計業務妨害の疑いで、昨年末までに逮捕、起訴されていた。

  ■情報120万件蓄え、商売に 自身も「つきまとい被害」 容疑の探偵

  O容疑者(60)は約20年前まで神戸市の市バスの運転手をしていた。1995年の阪神大震災後に退職し、探偵業に転身した。個人情報を集めて販売し、事業の拡大に伴って東京に進出した。

  当初は公的機関や企業に知り合いをつくり、情報を引き出していた。しかし、2000年5月、警視庁の警官から犯歴情報を買い取った贈収賄事件で逮捕され、有罪判決を受けた。この事件の影響のほか、03年に個人情報保護法が施行されたため、これまでの方法が通用しなくなった。

  そこで役所やガス会社などの企業に家族らを装って電話をかけ、個人情報をだまし取る「デンチョウ(電話調査)」という手法を使うようになった。たった1本の電話で情報を入手でき、経費はほとんどかからない。O容疑者は必要な情報を巧みに聞き出す話術に磨きをかけた。

  「住所・氏名から生年月日 25000円」「氏名・勤務先から住所 35000円」……。ホームページには約130種類の調査項目が並ぶ。回答が素早いと評判だったといい、同業者からも次々と依頼が舞い込んだ。

  O容疑者は、全国の自治体の保険や納税など個人情報を扱う課などに電話をする手口で情報を得て、顧客に売りさばいた。売り上げは11年春以降の約2年半で、8千万円近くになるという。今月17日に開かれたO容疑者の初公判で、検察側は月々80万円の利益があったと明かした。

  こうした手法を使うなどして得た個人や企業の情報はデータベース化されており、のべ120万件に上るという。

  一方、自分自身の個人情報をめぐって裁判沙汰にもなっていた。

  「結婚詐欺」「お金、返して」。一昨年夏、元交際相手が1870万円の損害賠償を求め、O容疑者を東京地裁に提訴。3カ月後、O容疑者は逆に、つきまといなどの嫌がらせをされ、精神的苦痛を受けたとして、1100万円の支払いを求めて元交際相手を訴えた。

  訴状では「探偵業者を使い、(自分の)転居先や元妻の住所を調べた」とも主張。O容疑者は自宅を割り出されないようにするため、居住していた都内の区役所に、個人情報の閲覧制限を申し立てていた。

  ■「情報漏れ、誠に遺憾」 逗子市長

  逗子ストーカー殺人事件で亡くなったMさんの夫(43)は24日、「逗子市役所から情報が流れた可能性が出てきて、残念に思います。これから、いろいろなことが明らかになると思いますが、捜査の進展を見守りたいと思います」とコメントした。

  神奈川県逗子市の平井竜一市長は24日に会見し、「不正な方法を使われたとはいえ、市から個人情報が漏れたことは誠に遺憾。亡くなられたMさんにお悔やみ申し上げるとともに、市民に多大なご心配とご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪した。

 
DV被害226件増925件 ストーカーとともに最多=群馬
2014.01.25 東京朝刊 

  昨年1年間に県警が認知したストーカー被害は548件(前年比11件増)、配偶者暴力(DV)は925件(同226件増)で、過去最多となったことが24日、県警のまとめでわかった。

  県警生活安全部によると、2004年に比べ、ストーカーは2・4倍、DVは3・1倍に増えた。

  ストーカーに関しては、以前は1人で複数の相談があった場合、別事案として計上していたが、昨年末に統計基準を変更し、1人1件と数えるようになった。そのため従来基準では、1032件(同117件増)となる。

  検挙件数は、ストーカーが55件、DVが216件で、ともに過去最多となった。県警は「全国的に関心を持たれるストーカーやDV事案が多く発生し、小さいことでも相談しようという意識が高まってきたため」とみている。

 
50歳女“ストーカー行為”か 脅迫メールに「shine」=「死ね」
2014.01.23 フジテレビ スーパーニュース 

 知人の女性に脅迫メールを送るなどストーカー行為をした疑いで50歳の女が逮捕された。事件の発端は去年2月に容疑者が交際相手の40代の女性と別れたことだった。今回ストーカー被害を受けた50代の女性は元交際相手と知り合いで、容疑者も約5年前にこの女性と知り合っていた。容疑者は「元交際相手の女性に交際を断られたのは被害女性のせいだと思った」と話している。警察は容疑者が一方的な思い込みから犯行に及んだとみている。

 
急増SNSストーカー あなたも気づかぬうちに被害者・加害者になる
2014.01.20 AERA 

  別れや失恋を受け止められない人がいる。

  スマートフォンやSNSは、ときにそうした人々をストーカー行為に向かわせる。

  関西地方に住む女子大生(20)は、元交際相手から、別れた後にSNSで嫌がらせをされた。

  男性はアルバイト先の同僚だった。何度か言い寄られて交際を始めたが、性格などが合わずに別れた。その後、強く復縁を求められ、なんとなくよりを戻したがやはり合わず、今度はきっぱり別れを告げたところ、ツイッターに名指しで悪口を書かれ始めた。以前話した身体上の悩みもばらされるのでは、という恐怖に襲われた彼女は、1年半勤めたアルバイト先を辞めた。

  こうした話を、関西地方の複数の大学でジェンダー論を教える非常勤講師の伊田広行さんはよく耳にする。授業後のアンケートには様々な体験談が寄せられる。ある女子大生は、SNSで嫉妬や恨みを増幅させる同世代の事情についてこう記した。

  「別れた後、元彼のフェイスブックページに行くと、彼の投稿に対してコメントをする女の子との会話を見て、その子がいま付き合っている子だと確信する。そして、その女の子のページに飛ぶと、どこの誰か、大学、年齢、友人関係、どんどん特定できる。彼のフェイスブックページを見たことで、必要なかった嫉妬をするようになる」

  「彼から自分への返事はないのに、ツイッターを見ると更新している、フェイスブックで『いいね!』を押しているとか。不要な情報でお互いにいらついたり、別れた後で勝手に恨んだり」

  最近の恋人間の問題にはコミュニケーションツールがすごく影響を与えていると、女子大生は分析している。

  ●相手は「自分の所有物」

  警察庁のストーカー被害相談件数は2012年に、最多の2万件近くを記録した。加害者の内訳は「面識なし」「知人友人」がそれぞれ1割程度なのに対し、「交際相手・元交際相手」が過半数の1万件余を占めた。

  ストーカー行為とは何をさすのか。ストーカー問題に詳しい岡田卓巳弁護士によると対象となるのは「面会、交際の要求」「行動を監視していると告げる」など8項目だ。拒否を伝えたにもかかわらず、行為を繰り返した場合、摘発されることもある。

  なぜ交際相手のストーカーに転じる人が年間1万人を超すのか。ストーカーやDV(ドメスティック・バイオレンス)に関する著書もある伊田さんは、

  「いまの若い子は付き合ったら、相手は『自分の所有物』という感覚が強い。背景にSNSの存在があることは否定できないし、こうした思考がストーカーやDV被害を生む温床になっていると思います」

  学生らに話を聞くと、近年、携帯やスマホで相手を束縛する動きがとても多いという。相手の携帯やスマホを壊すのは当たり前。異性との通信履歴は削除させ、内容確認のためメールを自分の携帯やスマホに転送させる。自分がメールや電話をしたら10分など制限時間内に返信しなければいけない「ルール」を作り、守らせる。

  ●束縛するのって、愛情?

  被害者は女性に限らない。ある男子学生は元交際相手に当時、寝る間際までLINEのやり取りをさせられ、先に寝ると翌朝何十通と非難するメッセージが来るため「怖くて先に眠れなかった」と嘆いていたという。伊田さんは、

  「社会そのものが、こうしたゆがんだ恋愛観を肯定している」

  とも指摘する。

  テレビで芸能人が「恋人や妻の行動を管理するのは愛」と訴え、ゲームやアニメに相手を好きすぎて病的に束縛するキャラクター「ヤンデレ」が存在することを挙げ、「相手を束縛するのは一つの愛情表現、と若年層に誤った知識を与えている」と警鐘を鳴らす。

  ●SNS通じて個人情報

  実際に統計でも05年以降、10代のストーカー加害者は右肩上がりで増えている。バーチャルな出会いを端緒に事件も起きている。昨年夏、神奈川県内で近畿地方在住の男子生徒(15)が元交際相手の自宅前で、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。2人の出会いの場はツイッターだった。約1カ月の遠距離交際の後に別れを切り出され、復縁を求めて彼女の自宅前に来たところ、事前に相談を受けていた神奈川県警に取り押さえられた。

  フェイスブック、LINE、ツイッターなどで24時間相手を縛りつけ、恋愛感情を一気に募らせる一方、相手から返信がなくなったら「戻ってきて。戻ってこないと死ぬ」「殺して一緒に死ぬ」などとエスカレート。こうした事態は親が気づかないうちに子供の手中のスマホ上で一気に進む。

  元交際相手がストーカーに転じてからのリスクは大きい。信頼して伝えた自宅住所、電話番号、学校、職場、友人関係の個人情報が犯行を手助けする。交際中に裸の写真の送信を求められたり、肉体関係があれば寝ている間に裸の写真を撮られたりすることもあるという。

  ではどうすればいいのか。子供からスマホを取り上げればいいのか。

  「だからといって道具を取り上げればいいという問題ではない」

  と前出の伊田さんは説く。伊田さんが仲間と共に進めるのは中高生を中心とした若年層への予防教育だ。まず加害者や被害者を生みださないために07年から全国を回り、生徒や保護者、教諭らに交際マナーについての講演を続ける。講演では具体的な注意点を話す。

  「秘密は互いにあってもいい。交際相手が異性の友達と会っていても、それを怒ったり非難したりする権利はない」「別れを切り出されたら一度は、自分はまだ好きだ、付き合い続けたいと言ってもいい。でも心変わりした相手を責めたり、しつこく復縁を求めたりするのはだめ」

  「両思いだからこそ付き合っていることになる。一方に恋愛感情がなくなれば交際は成り立たない。自分が合意しないから別れない、という理屈は成り立たない」

  デートDV防止教育のファシリテーターで加害者更生教育プログラムを行う「アウェア」の吉祥眞佐緒さんは言う。

  「防止教育は義務化するべきです。一度被害が起きれば、加害者も被害者も回復するのに時間もエネルギーもかかる。現状の法律では被害者が逃げる時間を与えるだけで抜本策にはならない。加害者は病気や性格ではなく、『価値観』の問題。対策は早ければ早いほど効果があるんです」

  ●本人に自覚ない場合も

 すでに自分や周囲が被害を受けている場合、どうしたらいいのか。相手と距離を置く、携帯を着信拒否するといった対策について吉祥さんは、

  「離れてしまえば安全なんじゃないかとか、連絡を取らなければ縁を切れるんじゃないかとか、そういう安易な考えが事件を引き起こしている可能性が高いです。本人だけでなく周りの人たちも事件に発展する可能性を理解して、警察だけでなく専門の機関にも相談し、介入してもらってほしい」

  伊田さんも別れる段階での専門団体への相談を提案する。

  「DVやストーカー行為を起こす人は執着心が強い場合が多く、素直に別れを認めず、怒ったり、危険な行動に出たりする可能性がある。DVに詳しい団体に相談し、一緒に警察に行ってもらったほうがいい」

  警察も、昨年末に警察庁が全国の警察にストーカー案件に対して複数部署が連携して対応するよう呼びかけ、成果も出るなど、過去の事件の反省を踏まえて対策を進めている。

  被害に遭っているかどうか被害者側が判断に迷う場合、伊田さんは自分にこう問いかけるようアドバイスする。

  「相手からの束縛を本当に幸せと感じるか。いやと思っていることが少しでもあり、相手に伝えられない場合、2人に支配関係がある可能性があり、DVやストーカー被害につながる」

  友人が被害に遭っている、もしくは加害行為をしているとみられるのに、本人たちに自覚がない場合、どうしたらいいか。

  「じっくり本人の話を聞いてあげてください。信頼できる相手と認めてもらったら、専門家への相談を促してください。周囲ができることはたくさんあります」

  ■ストーカー行為の具体例

  ・「会って」「付き合って」と執拗に求める

 ・「今日こんなことしてたでしょ」と伝える

 ・「バカヤロー」などと暴言を吐く

 ・汚物や動物の死体などの送付

  ・待ち伏せ

 ・拒否されたのに連続して電話を掛けたり、ファクスやメールを送る

 ・相手の裸の写真や、相手との性行為の動画などを見せたり、メールで送ったりする

 ・名誉を傷つける

 ■もしかして被害者かも

 ・こちらからメールやチャットを終わらせることができない

 ・求められたら裸の写真画像も送る

 ・相手のルールに嫌と言えない

 ・付き合いだして友達との時間が減った

 ・一日の行動をすべて報告している

 ■もしかして加害者かも

 ・1日に何十件もメッセージを送る

 ・相手からの早急な返信を求める

 ・相手に裸の写真を送らせる

 ・異性とのメールを自分に転送させる

 ・「好きだからやっている」と行為を正当化する
 
“ストーカー被害”相談の謎 急展開 72歳女性殺害で男逮捕
2014.01.08 テレビ朝日 

 今月2日、鳥取・米子市で火事が発生した家宅から72歳女性の遺体が発見された。女性は自宅周辺や外出先で男に待ち伏せされている、などと警察に相談していたという。警察は男に口頭で警告した。しかし警察の会見によると、警告した男性は今回の事件の容疑者ではなく、逮捕された容疑者は夫が入所していた施設のパート職員で送迎車の運転手であったという。警察は2人の間にトラブルがなかったから調べている。

 
ストーカー疑い 84歳男逮捕 79歳女性に「殺すぞ」 奈良
2014.01.07 大阪朝刊 

  病院で知り合った女性(79)が会うのを拒んだことに腹を立て、「殺すぞ」と脅したとして、奈良県警中吉野署は6日、脅迫の疑いで、和歌山県橋本市隅田町芋生(いもう)の無職、N容疑者(84)を逮捕した。女性は昨年10月にストーカー被害を訴え、同署がN容疑者に口頭で警告していた。「脅した覚えはない」と容疑を否認しているという。

  逮捕容疑は、昨年11月18日夜、奈良県下市町の女性宅の留守番電話に「言うこと聞かなんだら殺すぞ」と吹き込み、女性を脅迫したとしている。

  同署によると、N容疑者は約4年前、同県内の病院に入院していた妻と同部屋だった女性と知り合い、約2年前から自宅に押しかけるようになったという。

  女性から相談を受けた同署は昨年10月末、ストーカー規制法に基づきN容疑者を呼び出し、女性宅に行かないよう警告していた。

 
急増する高齢ストーカー被害! 実態!ストーカー化するきっかけは?
2014.01.07 TBS

ストーカー事案の認知状況は年々増えているが、60歳以上が加害者、被害者になるケースが他の世代に比べて急増している。NPOヒューマニティの理事長は、加害者に団塊の世代が多く、人生でやり残した事が「恋愛」だったと感じる事で起こると考えられる。コメンテーターの大谷昭宏は「若くないとこれが最後だと思ってしまい、執拗になる怖さがある」、八代英輝は「ストーカー被害を担当した時、裁判官に老いと共に青春に戻ると言われた事がある。想いが叶わないと死を考える発想になる特徴がある」とコメント。NPO「ヒューマニティ」の理事長が受けた高齢ストーカー相談の事例を紹介。ある70歳代の男女が親しくなったが、女性が他の男性と親しくすると、誹謗中傷の手紙がばら撒かれるようになった。大谷昭宏は「ある年齢になると、やり残した事は恋愛だという錯覚に陥ってしまう」とコメント。

 
「結婚したい」「一緒に死にたい」 ストーカー被害との関連は?
2014.01.07 毎日放送 ひるおび! 

 鳥取・米子市で全焼した住宅の焼け跡から、殺害された女性の遺体が見つかった事件。被害女性は顔見知りの男によるストーカー行為を、おととしから9回、米子警察署に相談しており、警察はこの男性に2回警告していた。警察は家に現金が残されていた事から、ストーカー被害との関連性について、調べを進めている。ストーカー被害は年々増加しているが、高齢が被害者、加害者になる割合が急増している。そうした背景について、NPO「ヒューマニティ」の理事長は、「加害者は団塊の世代以上に多い。仕事をやめて孤独な中で、恋愛をしていなかったという感じが、心に異性をはめ込んでしまう」と説明した。

 
急増する高齢ストーカー被害! 実態!ストーカー化するきっかけは?
2014.01.07 毎日放送 

ストーカー事案の認知状況は年々増えているが、60歳以上が加害者、被害者になるケースが他の世代に比べて急増している。NPOヒューマニティの理事長は、加害者に団塊の世代が多く、人生でやり残した事が「恋愛」だったと感じる事で起こると考えられる。コメンテーターの大谷昭宏は「若くないとこれが最後だと思ってしまい、執拗になる怖さがある」、八代英輝は「ストーカー被害を担当した時、裁判官に老いと共に青春に戻ると言われた事がある。想いが叶わないと死を考える発想になる特徴がある」とコメント。NPO「ヒューマニティ」の理事長が受けた高齢ストーカー相談の事例を紹介。ある70歳代の男女が親しくなったが、女性が他の男性と親しくすると、誹謗中傷の手紙がばら撒かれるようになった。大谷昭宏は「ある年齢になると、やり残した事は恋愛だという錯覚に陥ってしまう」とコメント。

 
焼け跡から72歳女性遺体 ”ストーカー被害”を相談
2014.01.06 TBS 朝ズバッ! 

 鳥取・米子市の住宅の焼け跡から女性の遺体が見つかった殺人事件で、この家に住んでいた女性が、警察にストーカー被害に遭っていると相談していたことがわかった。また、家には現金20万円が入った袋が残されていて、警察は、ストーカー被害との関連性などについて慎重に調べを進めている。
 
DV、ストーカー事件 犯行前に止められるか?/プレーバックニッポン
2013.12.28 日刊スポーツ 

  2013年、元交際相手や元夫による殺人、殺人未遂事件が相次いだ。被害者はDVやストーカー被害を警察に相談していたが、事件は防げなかった。法規制による厳罰化や警察の取り締まり強化だけでは限界がある。加害者を犯行前に止めることができないか。被害者の遺族の1人が今年、そんな模索を始めた。12年11月に神奈川県逗子市で元交際相手に殺害されたMさん(当時33)の兄(42)だ。加害者へのアプローチでは、更生の実績を挙げている団体も生まれている。

  「分からない。分からない。分からない…」。きれいな顔で葬儀場で横たわる妹に会ってから、ずっとつぶやいていた。なんでこんなことになった。「分からない」。怒りのわき方、わかせ方は。「分からない」。今年になっても、気が付けば「分からない」とつぶやいていた。

  3人きょうだいの末っ子のRさんは、兄と同じく父親似で、顔がよく似ていた。8歳年上の兄の影響か、好きだった音楽も「フリッパーズ・ギター」など、趣味も合った。福岡の大学で犯罪を起こさせないまち作りを研究する兄のフィールドワークに同行したり、考え方も似ていた。

  東京で暮らす弟からの突然の電話は、いちるの望みすら許さなかった。「Rの家に遺体が2つある」。昨年11月6日のことだ。ストーカーに殺害された。犯人はその場で自殺した。

  遺族の怒り、厳罰化、対応に不備のあった警察への批判。今年、そんなテーマで取材を受けた。事件を何度も思い起こし、うつ病になった。関係文献や資料を読みあさった。警告や逮捕で8~9割がストーカーをやめるとされる。「でも残りの1~2割はうちの事件みたいにすり抜ける。死を覚悟した相手には死刑すら意味がない」。考え続け、日本に加害者支援の仕組みがないことに行き着いた。

  ある記者には「加害者支援なんて妹さんは望んでいませんよ」と批判された。犯人は事件以前に自殺未遂を3回起こした。2回はRさんが犯人の家族に伝え、助かっている。正直「相手が死ねば、被害も終わるのに。何やってんだか」と思った。こうも思った。「妹が助けようと思わないのも想像できない。そういうヤツだった」。加害者支援の研究に方向性を定めた。

  伊勢原市で元夫に女性が刺された殺人未遂事件の犯人に今月、懲役12年の判決が言い渡された。意識不明だった女性は幸い、回復したが「彼が刑務所から出る前に治療できるように仕組みを変えないと、彼女は救われない」。時間はない。そう考えている。

  少女が警察にストーカー被害を相談したその日に殺害された三鷹市の事件。元交際相手につけられた女性が路上で殺害された市川市の事件も続いた。「あの犯人たちを今から治療というつもりは全くない」。訴えたいのは「その前に治療する仕組み作り」だ。「本人は難しくても、家族らが敷居の高い警察以外で、無料でカウンセリングを受けられる場所があれば、変えられたかもしれない」。

  作ろうとしているのは、どれも小さな壁かもしれないが、いくつも作れば「次の妹」1人だけでも助けられるかもしれない。「分からない」は消えた。本格的な研究チームは来年4月、立ち上がる。(おわり)

  ◆逗子ストーカー殺人事件 2012年11月6日、神奈川県逗子市の自宅アパートでMさん(当時33)が、元交際相手の無職の男(当時40)に刺され、死亡。男は首つり自殺した。男は11年6月、脅迫容疑で神奈川県警逗子署に逮捕され、執行猶予付きの有罪判決を受けた。保護観察中の12年春再び大量のメールが来て、Rさんは署に相談したが、当時メールはストーカー規制法の対象外(今年6月に対象に改正)で、署は捜査を断念。同年11月、男は11年の逮捕時に署員が読み上げた住所の一部を頼りに、探偵を使って住所を割り出し、犯行に及んだ。

  変わろうとしている加害者たちもいる。DV加害者の更生支援を行うNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市緑区)に通う男性(34)は「ストーカー殺人の犯人をテレビで見た。ここに来てなかったら、映っていたのは自分だったかもしれない」と話した。

  13年前に17歳だった妻と知り合った。当時から、暴力は当然だった。「彼女というより所有物だった」。今年1月、妻が心療内科でPTSDの診断を受け、子どもたちと姿を消した。籍は抜いてあった。

  ステップに来たのは「妻を連れ戻すためのポーズだったところもあった」。ただ、同じ境遇の人たちと話をするとすっきりした。成功、失敗の体験を共有し、教材を自宅で復習した。6月、妻に新しい交際相手がいることを知ったが、乗り越えた。「自分が変わっていなかったら、まず標的は女房だった」。

  相手への願いがあるから怒りがある。願いを怒りの行動ではなく、提案で伝えるように変える。そんな手法で更生を支援している。栗原加代美理事長によると、ストーカーもDVの一種。全国から通う約40人の加害者の中には、出て行った妻を携帯のGPS機能で追跡し「妻を殺して自分も死のう」としていた人も。その男性も通って2カ月で変わり始めているという。

  ▼5月21日 神奈川県伊勢原市の路上で、女性(31)が刃物で首を切り付けられ、一時意識不明の重体となった。県警は元夫の男(32)を逮捕。05年に結婚し埼玉県で暮らしたが同年12月、DV被害で女性が警察に相談。06年、裁判所が接近禁止命令を出した。離婚後、女性はシェルターを経て伊勢原市に転居。男は探偵を使って居所を探した。

  ▼10月8日 東京都三鷹市で私立高3年の女子生徒(18)が自宅で、元交際相手の男(21)に刺され、死亡した。警視庁は同日、男を逮捕。女子生徒は同日午前、三鷹署にストーカー被害を相談したばかりだった。男は自宅に忍び込み、クロゼット内で待ち伏せた。

  ▼11月27日 千葉県市川市で無職女性(22)が元交際相手の男(23)に刺され、死亡した。女性は約2年間、男と長女(3)と同居していたが9月に別れ、長女と共に転居していた。男は長女を保育園に迎えに行った女性の車をタクシーで尾行し、犯行に及んだ。県警は翌日、男を逮捕した。

 
三鷹ストーカー殺人 警視庁が検証結果公表 危険性・切迫性判断に問題
2013.12.06 NHKニュース 

  東京・三鷹市で起きた事件について警視庁は、女子生徒からのストーカー相談に対する対応を検証した結果を公表しました。

  この中では、女子生徒としばらく連絡を取っていなかった元交際相手が、自宅のある京都から上京し、生徒の自宅周辺で2度も目撃されていたものの、生徒に危害を加えるような言動が把握されていなかったため、相談を受けた警察署は危険が差し迫っているという判断には至らなかったとしています。

  そのうえで相談を受けた担当者が、危険性や切迫性を的確に判断するための仕組みが必要だとしています。

  また、警察署への相談の内容が、事件が起きる前に署長などの幹部に報告されなかったことについて、危険度が高い事案については幹部に口頭で伝えるなどの仕組みが必要だとしています。

  さらに女子生徒が相談に訪れた当日、帰宅した直後に殺害されたことについて、警察署では夜間のパトロール強化は実施するつもりだったものの、自宅から避難するよう勧めるまでには至らなかったとして、危険度に応じて警察官を帰宅時に派遣するほか、被害者に一時的な避難を強く勧めることが必要だとしました。

  さらに、事件の4日前に、女子生徒が通っていた高校の教員が地元の杉並警察署に「生徒がストーカー被害にあっている。どうしたらいいか」と電話で問い合わせた際は詳しい内容を聞き取っていなかったとしています。

  その上で、問い合わせを受けた警察署は、内容をできる限り詳しく聞き取ったうえで、関係する警察署などにすぐに引き継ぐことが重要だとしています。

 
「高齢ストーカー」急増 県内1~10月 認知50件 昨年の1.5倍/平伸二・福山大教授に聞く 孤立させず社会参画を
2013.12.02 第1全県-15版 23頁 山陽新聞朝刊

  60歳以上の男女が異性に付きまとい行為を繰り返す「高齢ストーカー」が急増している。県警によると、被害の認知件数は1~10月で50件に上り、過去5年間で最多だった2012年(33件)の1・5倍。高齢化の進展が背景にあるとみられている。(難波孝光)

  県警の統計では、摘発、警告に至ったケースを含め、ストーカーの全認知件数は1~10月で454件。うち60歳以上は11・0%を占め、08~12年(6・3~9・4%)をいずれも上回ったほか、08、10年(各25件)の2倍に上った。

  倉敷市では、62歳の男が以前交際していた30代女性に「別の男性と結婚する」と言われて激高。「許さない。旦那を殺す」と脅し、暴行を加えたとして1月に逮捕された。岡山市では80代の男性が昨年5月ごろ、自宅近くで見掛けた50代女性の職場に「一目ぼれした」と押し掛けて待ち伏せ行為を繰り返し、警察署から警告を受ける出来事もあった。

  被害者は女性ばかりではない。今年9月には岡山市の60代男性が、取引先の会社を経営する70代後半の女性に「何度も食事に誘われ、困っている」と警察署に駆け込むという相談例があった。

  警察庁によると、高齢ストーカーは全国で増加傾向にある。60歳以上で摘発や警告を受けた人は12年に1834人。03年(473人)の4倍近くに上る。

  65歳以上でみた県内の高齢化率は、昨年10月現在で26・2%と過去最高を記録した。県警生活安全企画課の大賀理史犯罪抑止対策官は「相手が嫌がる行為を続ければ犯罪だ。高齢ストーカーは今後も増加が予想され、被害相談には迅速、誠実に対応したい」としている。

 平伸二・福山大教授に聞く 孤立させず社会参画を

 増加する高齢ストーカー。福山大人間文化学部の平伸二教授(犯罪心理学)にその背景と対策を聞いた。(難波孝光)

  ―なぜお年寄りが付きまとい行為をするのか。

  ストーカー行為をして警察に逮捕される事態を想像すれば分かりやすい。会社などに勤めていれば「首になって失職する」との抑止力が働くが、一線を退けば、そのリスクはなくなる。

  ―家族構成の変化の影響を指摘する見方もある。

  行動に注意を払ってくれる子どもや孫と生活していれば、これも抑止力の一つとなり得るが、高齢者の独居が増え、都市部を中心に3世代同居の家族は珍しくなった。一人暮らしの寂しさから付きまとい行為に走るケースもあるだろう。

  ―どんな対策が効果的か。

  医療技術の発達により60代、70代でも健康な人が増え、恋愛感情を抱き、エスカレートすることも不自然ではない。一方で高齢者の犯罪はストーカーに限らず、万引も多い。社会から孤立させず、地域社会に生き生きと参画できる仕組みづくりを急ぐべきだ。

 
増える”ストーカー被害” どうすれば防げる?
2013.11.29 毎日放送 ひるおび! 

ストーカー被害を特集。ストーカーは面会、交際の要求や乱暴な言動、無言電話や連続電話などを繰り返し行うもので、アンケートではストーカー被害にあった経験がある女性は多い。ストーカー事案の認知状況ではストーカー規制法が施行された2000年以降急増しており、いやがらせ行為に対し警告や禁止命令を出せるようになった。ストーカー行為に対しては事情聴取や口頭での注意を行い、それでもつきまとい等を繰り返している場合は警告。従わない場合は禁止命令を出し、検挙となる。禁止命令に従わない場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられ、認知件数のうち検挙はわずかで、6割ほどは相手との対応方法をアドバイスするなどにとどまっている。小川泰平氏は約2万件のストーカー事案でも警察は一件一件より丁寧にできるはずと指摘する。たくさんの悪質なメールを送っている場合、警察がストーカー行為と判断すれば被害者による告訴ができ、捜査・検挙となる。
 
 闇サイトや探偵を駆使 広がる手口 対策は後手
2013.11.28 朝刊 

  探偵やインターネットを駆使したストーカー事件が相次いでいる。昨年十一月に神奈川県逗子市で女性が元交際相手の男に殺害された事件でも、男はネットや探偵を使って女性の住所を特定して犯行に及んでいた。新たな「犯罪インフラ」からいかにストーカー被害者を守るかが課題となる。

  逗子市の事件では、男は会員制交流サイト「フェイスブック」で元交際相手の女性の居住地の手掛かりをつかみ、探偵に依頼して女性の住所を割り出していた。

  当時、女性の相談に携わったNPO法人ヒューマニティ(東京都大田区)の小早川明子理事長は「探偵に頼み、引っ越した相手の住所を知る加害者は多い。探偵業法で『調査行為を犯罪に使わない』という誓約書を交わす決まりだが、免罪符になっていないか」と指摘する。

  インターネットの闇サイトは犯行仲間を募るのに使われ、報酬目当てに見ず知らずの者同士が結び付く犯罪の温床になっている。二〇〇七年に名古屋市の女性が男らに殺害される事件や、今年十一月に東京都大田区の女子中学生が男らに誘拐された事件がそうだ。今回は、ストーカー犯罪に利用されている実態も発覚した。

  ネットの悪質な書き込みを監視する警視庁の専従部隊「ネットハンター」は六百~七百の有害サイトを把握している。だが、「高給アルバイト募集」「何でもやります」など仕事内容を示さないため、摘発や削除ができない例も多い。

  つきまといや執ような電話を取り締まるストーカー規制法ができたのは十三年前。警察庁の担当者は「法施行後、ネットの普及で、手口は広がっている。後手後手になりがちな面はある」と認める。

  繰り返されるストーカー事件を受け、警察庁は今月、対策を検討する有識者検討会を発足。委員に就任した小早川さんは「ストーカー規制法を強化するだけでは被害者を守れない。探偵業の在り方などを含め、考えていかなければ」と話す。

 
ストーカー被害女性の情報 逗子市役所60代職員が漏えいか
2013.11.08 日本テレビ 

 東京都の探偵業の容疑者2人はガス会社に対し、客を装って個人情報を聞き出し、別の探偵業者に伝えていた疑いが持たれている。2人は去年発生した逗子ストーカー殺人事件で、逗子市役所に電話をかけ被害女性の住所などを調べた疑いがあり、その後の調べで女性の個人情報を検索したパソコンは60代の再任用職員の男性のものと分かり、同じ職員のパソワードをIDでログインしていたことが分かった。逗子市は閲覧制限があったにもかかわらず情報が流出した可能性があるとみて詳しく調査している。